マーケティング/マーケティング事例

コンビニコーヒー戦争から学ぶポジションに応じた戦略(3ページ目)

コンビニ業界で“コーヒー戦争”が過熱しています。最大手のセブン-イレブンが「セブンカフェ」で切り拓いたカウンターコーヒーの市場がライバル企業の参入で拡大。今後は益々成長の兆しを見せています。今回はこのコンビニコーヒー戦争にフォーカスを当て、コトラー教授のポジションに応じた戦略で検証していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

ローソンの戦略


マチカフェ

ローソンはチャレンジャーとして独自路線を歩む!

ローソンはコンビニ業界No.2の地位にあり、明らかにチャレンジャーのスタンスを取っているといえるでしょう。隙あらば、トップのセブンイレブンを脅かし、自社がリーダーになろうと虎視眈々とチャンスをうかがっているのです。

コトラー教授によれば、このようなチャレンジャーの基本戦略は“差別化”になります。体力に劣るチャレンジャーは、リーダーと正面切って戦っても勝ち目はまず見込めません。そこで、リーダーと違うことをする、すなわちまったく違う路線で事業を展開することにより、直接の争いを避けて業績を伸ばしていくことができるようになるのです。

たとえば、コーヒー事業においてもローソンは独自の戦略を貫いています。セブン-イレブン他、大手コンビニチェーンが、集客の目玉となるコーヒーの販売をほとんど全店で取り扱う中、ローソンが展開する「マチカフェ」は全国1万1千店舗中8千店舗ほどに留めています。提供する商品もコンビニ他社がセルフサービスでコーヒーを提供する一方、ローソンでは店員が一杯一杯作って提供するというこだわりよう。結果として、価格はブレンドコーヒーが税込で1杯185円とセブン-イレブンの1杯100円に比べれば、非常に高額に設定しています。また、この春から夏にかけての期間限定商品として宇治抹茶ラテを247円で販売するなど、ライバル他社とは一線を画した商品ラインナップでコンビニコーヒー戦争を勝ち抜くことを目論んでいるのです。

最後にファミリーマートの戦略を見ていきましょう!果たしてファミリーマートは“チャレンジャー”か?“フォロワー”か?次のページで明らかになります!
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