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ウイスキー&バー/ウイスキー、おススメのこの一瓶

オーヘントッシャン アメリカンオーク新発売2/25

ローランドモルトを代表する「オーヘントッシャン」の1st.フィル・バーボン樽熟成が2月25日に新発売となる。グラスゴーで「オーキー」の愛称で地酒として愛されているが、いま世界の大都市で人気が高まっている。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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新世代のスタイリッシュ・シングルモルト

オーヘントッシャン アメリカンオーク

オーヘントッシャン アメリカンオーク

前回は、“悪魔の善行か、女神のいたずらか”と表現できるほどの佳品、スモーキーでハツラツとしながらもシェリー樽熟成特有の奥行きのある魅力的な香味の『ボウモア デビルズカスク限定600本新発売』を記事にした。今回はアイラモルトの記事につづいてローランドモルトを紹介しよう。
ローランドモルトウイスキーの香味はアイラモルトやスペイサイドモルト、ハイランドモルトに比べると強い主張がなく、控えめといっていい。ピートの湿原を吹きすさぶ風もなく、山岳的風景や流れの早い渓流もみられない。地形的な特長である、のどかにうねる丘陵をそよぐ風のように穏やかな香味を特長としている。
そのローランドを代表するシングルモルトウイスキーが「AUCEHNTOSHAN」だが、まず“野原の片隅”という「オーヘントッシャン」のゲール語発音をすぐさまできる人はそうそういないであろう。

大都市グラスゴーから西へ約15km。ローモンド湖へ向かう幹線道路の途中、美しい自然に囲まれた中に白く質素な建物が見えてくるが、それが3回蒸溜で知られるオーヘントッシャン蒸溜所だ。たしかに昔は“野原の片隅”といえる景色の中にあっただろうと想像させるたたずまいをしている。
創業は1800年頃とされる。アイルランドからの移民が、アイリッシュウイスキーの伝統製法3回蒸溜でウイスキーづくりをはじめたようだが、古い歴史がある割には日本ではいまひとつ知られていない。
ところがいま、欧米の大都市で「オーヘントッシャン」はミキサブルなシングルモルトウイスキーとして大人気となりつつある。とくにニューヨークではスタイリッシュ・シングルモルトの地位を確立しつつある。

グラスゴー市民に愛される「オーキー」

オーヘントッシャン蒸溜所

オーヘントッシャン蒸溜所

たとえばライムを添えたソーダ割り、オレンジを添えたジンジャーエール割り、マンハッタンを「オーヘントッシャン」ベースに変えたロブ・ロイ。そうかと思えばゆったりとオン・ザ・ロックあるいはストレート。飲み方を選ばない、ファッショナブルに楽しむ酒、新世代感覚のシングルモルトとして注目を浴びているようだ。
シングルモルトはタフな酒、一杯の充足感といった構えた感覚ではなく、粋に、スタイリッシュにグラスを傾ける一瓶ということなのだろう。軽快で飲み飽きない香味特長を知れば、誰もが頷くはずだ。
3回蒸溜によるフルーティーでフレッシュなタッチ。そして繊細でスムーズな心地よい舌触りが「オーヘントッシャン」の香味特長だが、20世紀後半から貯蔵熟成樽の品質管理を高め、デリケート&スムーズな香味をより進化させてきた。これが新世代シングルモルトと位置づけられる大きな要因ともなっている。

オーキー&ソーダ

オーキー&ソーダにライムを添える

グラスゴー市民の間では地酒的ウイスキーとして長年愛されてきた。彼らは「オーヘントッシャン」という読みにくく長い名前を短縮して「オーキー」(Auchie)と愛称で呼ぶ。グラスゴー市民の酒「オーキー」は、いま新しいシングルモルトの世界を創出する先導的役割を担いはじめている。
とくにわたしは女性にすすめる。そして若いウイスキー入門者はもちろん、ある程度ウイスキーを飲みこなした方にも自宅に常備してストレートやオン・ザ・ロックで気軽に楽しんでいただきたい。
では次頁で、3回蒸溜について、そしてこの2月25日新発売となる「オーヘントッシャン アメリカンオーク」の製品紹介と、「12年」「スリーウッド」についても解説する。(次ページへつづく)

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