スコッチ好調も、ヨーロッパで微減
ブレンデッドスコッチの名品、バランタイン17年
数字はIWSR(The International Wine & Spirits Record)のデータがベースであり、期間は2012年1月から12月の2012年度1年間のものである。
右端のパーセントは2007年を100としたときの2012年までの成長率を示す。
スコッチウイスキー全販売数量 約9,627万ケース 1.66%
地域別市場内訳
ヨーロッパ 約3,635万ケース -2.12%
アメリカ大陸 約2,475万ケース 3.02%
アジア太平洋地域 約1,525万ケース 2.15%
アフリカ・中近東 約800万ケース 3.43%
CIS 約450万ケース 27.97%
DFヨーロッパ 約235万ケース 3.50%
DFアメリカ大陸 約138万ケース 7.12%
DFアジア太平洋地域 約214万ケース 7.66%
DFアフリカ・中近東 約111万ケース 11.46%
その他 約30万ケース -1.72%
* DFはデューティー・フリー(免税)市場
* CISは独立国家共同体の以下の国々。ロシア・ウクライナ・モルドバ・アゼルバイジャン・トルクメニスタン・ベラルーシ・カザフスタン・アルメニア・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタンの11カ国。
CISでのウイスキー人気の高まり
世界のウイスキー市場は拡大をつづけていることは2012年末の記事『ウイスキーの世界市場規模、日本第2位』で述べたが、以前好調で'07年比で144%の伸びを見せている。ブレンデッドは年率1%程度の伸び、シングルモルトは年率4%程度伸張してきた。その中でスコッチは世界市場で堅調をつづけている。ただし、ヨーロッパ市場だけがマイナス2.12%とわずかながら減少傾向にある。これは経済動向の要因があるのではなかろうか。いまひとつ経済が活性化していないヨーロッパでスタンダードクラス(10ドル~29ドル)がいまひとつ。微減というのはその影響であり、大きなウイスキー離れといったものではないだろう。
ただしスペインは他の影響も考えられる。スペインではウイスキーがよく飲まれている。コーラ割り(コークハイ)でガバガバとウイスキーを飲むことでもしられるが、ラムに多少だが人気が移ってきているとの話も聞く。
目立っているのはCISの国々で、新しい市場として見逃せない。ウイスキー人気はもっと高まるであろう。スコッチだけの数字でも3割近い伸びがある。
実はCISで最も伸張率が高いのがジャパニーズウイスキーだ。まだまだ販売数量の規模は小さいが'08~'12での伸び率が58.64%。2003年では2,500ケースとほとんど知られていない存在であった。それが2012年には約2万ケースにまで成長した。CISでジャパニーズはもっと大きく浸透して行くはずだ。
ジャパニーズは欧米、アジアで確実に伸張をつづけており、これからもさらに世界的な人気に拍車がかかることに間違いはないだろう。
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