リーダーシップは「引っ張る」、フォロワーシップは「支える」

リーダーシップを「リーダーが頑張ること」、フォロワーシップを「現場にいるフォロワーが頑張ること」と、立場と結びつけた現象でとらえると、このように混乱を招きます。ではどうとらえるか。私は、リーダーシップとは「引っ張ること」、フォロワーシップとは「支えること」と、「アクション」として説明することにしています(下図参照)。
リーダーシップとフォロワーシップの違い

リーダーシップは「引っ張る」、フォロワーシップは「支える」アクションととらえるとわかりやすい。



こう考えると、組織にはリーダーが発揮するリーダーシップ(リーダーの「引っ張る」)とフォロワーシップ(リーダーの「支える」)、フォロワーが発揮するリーダーシップ(フォロワーの「引っ張る」)とフォロワーシップ(フォロワーの「支える」)という4種類のアクションが存在することになります(下図参照)。

組織を構成する4つのアクション

フォロワーシップはリーダーの「支える」とフォロワーの「支える」がある。



したがって、リーダーはビジョンを持って引っ張る、フォロワーはその方針に従って支えるというのが一般的な組織のイメージではありますが、同時に、フォロワーが組織を引っ張る、リーダーがそのフォロワーを支えるという組織も、その混在型組織も十分にあり得ます。先に出てきた「強く指示を出す」というアクションは、リーダーがやっても、フォロワーがやってもリーダーシップに違いありませんし、「現場が強い組織」とは、フォロワーがフォロワーシップと同時にリーダーシップも発揮して、自らやメンバーを引っ張る組織というとらえ方のほうが自然ではないでしょうか。

リーダーは、24時間、引っ張るべきではない

ご自身の毎日を思い浮かべてみてください。あなたがリーダーだとしましょう。仕事の時間の100%すべてが「引っ張る」行為でしょうか? もちろん、戦略を決めたり、それを現場に落とし込むために指示を出したり、フォロワーの行為に対して修正を求めたりする「引っ張る」瞬間は多いと思います。一方で、円滑なコミュニケーションのための場づくりや、部下の学びを促すための対話にも時間を割いているのではないでしょうか。また、部下のプロジェクトをじっと見守り、困ったときに手を差し伸べることもあるでしょう。これらは、明らかに「支える」フォロワーシップです。

フォロワーの場合はどうでしょうか。フォロワーも、上司の指示通りに動いたり、自分の与えられた役割を完遂したり、上司や先輩のサポートをしたりするは、確かに「支える」行為に違いありません。そんなフォロワーでも、ミーティングをリードしたり、他のメンバーとともに上司に意見をしたり、気落ちした部署のムードを変えるために皆を鼓舞したりと、「引っ張る」側に回ることもあるはずです。

ですから、あなたがリーダーであっても、フォロワーであっても、誰にでもフォロワーシップは大切なものなのです。そして、もっと言えば、「リーダーが育たない」と言われる日本の社会において、私は「フォロワーシップがきちんと機能していないからではないか」と思うことすらあります。リーダーシップとフォロワーシップは、実は不可分の存在なのです。



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