1位米国、2位日本、3位英国
ISC2012で最高賞をダブル受賞した山崎18年、白州25年
まず市場規模だが、スタンダード(10ドル~29ドル)とプレミアム(20ドル~49ドル)のカテゴリー、日本円でいえば1,000円~5,000円くらいの価格帯のウイスキーに関して、日本は世界でなんと第2位の規模なのだ。
2011年市場規模上位5カ国を見ると、1位アメリカ、2位日本、3位イギリス、4位フランス、5位オーストラリアの順となっている。
1 アメリカ合衆国 約3,094万ケース 年率101%の伸び
2 日本 約829万ケース 年率102%の伸び
3 イギリス 約639万ケース 年率101%の伸び
4 フランス 約429万ケース 年率103%の伸び
5 オーストラリア 約300万ケース 年率102%の伸び
簡単にいえば、どこの国がたくさんウイスキーを飲んでいる国か、ということだ。この年間販売数量の桁数だけ見ても、アメリカという国が、いかに市場規模が大きい、というか突出しているかをご理解いただけるだろう。
以下、韓国、インド、中国、ロシアとつづくのだが、伸張率が目覚ましいのがインド(年率126%)、ロシア(年率124%)である。こうした国々の急成長もあって、2006年から2011年の5年間に、市場規模は1.5倍も拡大した。
ジャパニーズの高評価は定着
では5大ウイスキーの販売数量伸張率を見てみよう。2006年を100%とした2011年の伸張率は次のようになる。アイリッシュが150%で最も伸びている。これはアメリカで売り上げを伸ばしているからである。つづくのが国内でのハイボール人気とヨーロッパでとても評価の高いジャパニーズ126%。バーボンのジムビーム、テネシーのジャックダニエルが牽引するアメリカン112%、そしてスコッチが107%の伸びだ。残念ながらカナディアンが97%とマイナス成長である。ただし、世界でのシェアでいえば、スコッチが27%で圧倒的。アイリッシュのシェアは2%でジャパニーズやカナディアンよりも世界シェアは低いことを認識しておいていただきたい。
シングルモルトだけの数字をいえば、2007年、翌8年とそこそこ伸びていたのだが、リーマンショックの影響か、2009年に06年並みに下がった。2010年に持ち直し、2011年は5年間の伸張率で120%にまで数字が上がってきている。
スコッチのシェアはたった27%なのか、と驚く方もいらっしゃるかもしれない。実はインドに象徴されるように9ドル以下のエコノミークラスがガバガバつくられ、飲まれている国がたくさんある。だから5大ウイスキー以外のその他というカテゴリーが50%、半分を占めていると思っていただきたい。
ちなみにウイスキー業界では50ドル以上のウイスキーはスーパープレミアムクラスと言う。このスーパープレミアムクラスも2006年からの5年間で109%の伸びをみせている。
スーパープレミアムといえば、今年のISC2012でシングルモルト「山崎18年」「白州25年」がウイスキー部門で史上初となる最高賞トロフィーを1メーカーでダブル受賞した。ジャパニーズがいかに高品質か、もう語るほどのこともなかろう。いいぞ、凄いぞ、ジャパニーズ。
数字だらけの記事になってしまったが、いつものように、みんなもっともっとウイスキーを飲もうね。来年も、ウイスキーをよろしくね。
関連記事
世界の名ブレンダー、山崎に集うジャパニーズは世界のウイスキーとなるか1
ジャパニーズは世界のウイスキーとなるか4
WWA2010最新情報とブレンデッドの話