薬膳料理/夏の薬膳・薬膳レシピ(夏バテ・熱中症対策)

『あしゃぎ』(沖縄)…50品目のヘルシー薬膳朝ごはん(2ページ目)

沖縄料理には、夏に取り入れたい薬膳の要素がたっぷりと詰まっています。ナーベラー(ヘチマ)、ゆし豆腐、アロエ、青パパイヤ、ゴーヤーなどの沖縄の元気食材を、薬膳的に解説してみましょう!

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド


熱や痰に「ナーベラーと島人参の酢漬け」

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たんぱくな味が味噌と合う

加熱したナーベラー(ヘチマ)は、トロッとした食感とほんのり甘い味がして、味噌とよくマッチしています。沖縄では味噌汁や味噌煮、炒め物などにすることが多いようですが、苦味もほとんどなく調理しやすいので、本土でメジャーになる日もそう遠くないかもしれません。

同じウリ科で有名なゴーヤーは熱を冷まして湿気を取り除くのに対し、ヘチマはカラダの熱を冷まし、痰や咳を鎮める作用があるので、発熱や熱にともなう咳や痰にオススメです。

美容や疲労回復に「青パパイヤときくらげの炒め物」

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シャキシャキとした食感が後を引く

熟す前のまだしゃきっとした未成熟なパパイヤを、沖縄ではよく野菜と同じように炒めたりサラダにしたりします。パパイヤ酵素をはじめ、ビタミンC、β-カロテン、食物繊維なども含み、確かにデザートで食べるだけではもったいない気がしますよね。

薬膳的には、胃腸の機能を整え、消化を促進したり、熱を冷まし、夏バテや疲労に役立ちます。二日酔いにもよいとされ、母乳の出をよくする作用もあるとか。

夏バテに「緑豆と押し麦の甘菓子」

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ほんのりとした上品な甘み

緑豆は、薬膳ではよく使用する食材のひとつです。カラダの熱を冷まし、口の渇きを癒したり、余計な水分を排出する作用があります。中国や東南アジアなどでは、煮た緑豆と砂糖をあわせた夏バテ対策のジュースが露店で売られていたり、ぜんざいやかき氷の具になっていることもあります。

麦にも利尿作用があるので、むくみやすいタイプにもオススメのデザートといえるでしょう。ただし緑豆は冷やす作用が高いので、冷たくしすぎると胃腸にも負担がかかるので気をつけて。

夏バテに「冬瓜のきっぱん(冬瓜漬)」

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伝統的な琉球菓子といえばコレ!

きっぱんは「橘餅」と書くように、柑橘系の皮を煮詰めたもので、琉球王国時代は貴重なお菓子とされていたそうです。冬瓜のきっぱんは冬瓜の砂糖漬けといった感じで、口にするとシャリシャリし、すぐさまスーっと溶けていきます。

冬瓜の作用としては熱を冷まし、水分代謝をよくしてむくみをとることです。そのせいか、食べた後にヒンヤリ感が残り、飴色に輝く冬瓜は、手間暇かけてつくられた感じがします。お土産にもいいかもしれませんね。


今回いただいた朝食は、沖縄の風土にぴったりの、夏の暑さをしのぐ「ぬちぐすい」=命の薬!色がきれいで苦味があるお野菜は、熱を冷ますだけでなく、解毒作用や便秘解消にも役立つものが多くあり、デトックス効果が期待できそうです。ただし、カラダが冷えるタイプは、島とうがらしや温かいスープなどを添えてくださいね。体質や気候にあわせて対応するのが、薬膳の基本ですから。

琉球料理「あしゃぎ」
沖縄県那覇市牧志1-1-12 沖縄第一ホテル内
薬膳朝食:3,150円(要予約)
問い合わせ:098-867-3116

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