コーチング/信頼関係作り

親切のつもりが・・・アドバイスに潜む落とし穴!(3ページ目)

後輩や部下から助言を求められたとき、何かを教えるとき、あなたがしているアドバイス、それって本当にいい方法? アドバイスに潜む落とし穴について考えます。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

あなたの成功体験は?

コーチング,部下育成

部下の話をよく聞くことが大事


今度、部下や後輩に何か指導したり、教える必要が出たら、タイミングを見計らってこう尋ねてみて下さい。

「これまで何か新しいことに取り組んだり、大きなチャレンジをした中で最も成功だったと思うことは何? そのときはどんな風に取り組んだの?」

成功体験を話してると必ずその人がうまくいくパターンが出てきます。

たとえば、こんな返答があったとします。

「新人研修後すぐに営業部に配属されたとき、仲良しの同期とつるんだり、1人でコツコツ取り組むのではなく、経験豊富な先輩や同期の中でも数字を出している人たちと多くコミュニケーションをとったり、行動をともにした。するとはじめは無理だと思っていた目標を達成。一年後にはトップの営業成績を達成できました。」

この話からあなたならどんな特徴をつかみますか?

「1人より仲間やチームで取り組む」「高い目標や高いレベルに刺激される」「できる人から吸収する、学ぶ」などの特徴が見えてきます。しかし、その人らしさを引き出すにはもう少し質問を重ねる必要があります。

・具体的には何がうまくいったのか?
・そのやり方の何が機能したのか?
・何が転機となったのか?
・その体験から自分のパターンを見つけるとすると? 

そして、その人のパターンやスタイルが見えてきたら、次の質問をしてください。

「それを今回の件に活かすとしたら?」

もちろんそれはすでに試したという場合もあるでしょう。そのときは他の成功事例も検討するか、活かし方を工夫するかです。いずれにしてもあなたという話し相手がいることは成功への近道です。

この方法のいいところは話し手も聞き手もエネルギーが沸いてくること。自分らしい方法とエネルギーを備えれば、目の前の人は放っておいても前進し、おそらくやり遂げるでしょう。あなたはそれを見送るだけでいいのです。
 

アドバイスを求められたら

もちろんどんなときでもアドバイスしてはいけないというわけではありません。相手が新しい視点を求めていたり、経験者の体験談から何かを学ぼうとしているとき、アドバイスは有効です。

ぜひ試して欲しいことは、アドバイスを求められたとき、それに応じてアドバイスを伝えて終わり、という一方的なコミュニケーションではなく、次の問いを頭に浮かべて欲しいのです。

「この人らしいのはどんな方法だろう?」
「この人が最もうまく、最も早く成功するにはどんなやり方がいいか?」
「この人がすでに持っている成功パターンって?」

そして、ぜひ相手ととともにこの問いの答えを探求してみてください。

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