退屈な人生を変える方法とは

毎日同じ仕事の繰り返し、どうする?

毎日同じ仕事の繰り返し、どうする?

新年度を迎えて、どんな人でも「どんな年になるだろう?」「今年度こそはなんとかしたいなあ」など、少しは未来に意識が向くものでしょう。

さて、あなたはどんな目標を持ちたいと考えましたか?さらに、もっと先に意識を伸ばしてみて、これからのあなたの人生はどうなっていくでしょう?また、そうやってこれからの人生を考えてみると、どんな気持になりましたか?

ある人は「これから何が起こるだろう?」と未知の未来に対して、ワクワク、ドキドキする気持が起きたかもしれません。もしくは、「まあ、こんなふうになっていくだろうなあ」と未来が見えてしまって、あまり強い感情が起きなかった人もいるでしょう。あなたはどうでしたか?

もし、あなたが後者のように「人生わかったつもり」であれば、あなたの毎日はまるで消化試合をこなすように、ただ流れていくだけの退屈なものになってしまいます。

「新しいもの」は退屈をまぎらわしてくれますが……

そんなあなたの退屈な毎日、人生プランにうるおいを与えてくれるのが、「新しいもの」

毎日の生活の中で、人はついつい同じパターンにはまりがちです。でも、ふっと周りを見回してみるとまだ知らないこと、経験していないことが多いことに気づくはずです。

たとえば、これまで入ったことがないレストランでランチを食べてみる。本屋で自分の知らない分野の書棚を見てみる。駅から家までの道で、いつもと反対側を歩いてみる……。

そんなちょっとした「新しいもの」を体験するだけで、何かちょっとした発見や驚きがあり、気がつけば退屈していない自分に気づくかもしれません。

ただし、この「新しいもの」にも注意が必要です。「退屈しないためには新しいものがなければならない」と思ってしまうと、常に新しいものを求め、それに疲れて、結局は退屈な毎日・人生になってしまいます。

とりわけ、現代社会では、企業がせっせと「新」商品を開発して提供してきますから、すぐに振り回されてしまうでしょう。そうならずに、退屈な毎日・人生から解放されるにはどうしたらいいのでしょうか?

「センス・オブ・ワンダー」が退屈を吹き飛ばす

50ページほどの本だが、その伝えるメッセージは深い
あなたの毎日・人生を退屈から解放してくれるもの。それは実のところ、「新しいもの」自体にはありません。カギは、「新しいもの」を求め、発見していくあなた自身の心の中にあります。

それは「センス・オブ・ワンダー」。これは、ただ新しいものに興味を持って飛びつくような「新しもの好き」のことではありません。「美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見張る感性」のことです。

これは、40年以上も前にその著書『沈黙の春』で環境問題に警鐘を鳴らしたレイチェル・カーソンが最後に書き残した著書・『センス・オブ・ワンダー』(上遠 恵子訳 新潮社)からの言葉です。

この著書で彼女は、甥っ子と自然を探検しながら、さまざまなことを発見する喜びを伝えてくれています。

「子どもといっしょに自然を探検するということは、まわりにあるすべてのものに対するあなた自身の感受性にみがきをかけるということです。それは、しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらくこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先のつかいかたをもう一度学び直すことなのです」  (『センス・オブ・ワンダー』より)

先ほど、「新しいもの」を経験することを紹介しましたが、その経験を通じて重要なのは、「しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらく」こと。もし、新しいものを経験しても感覚をひらくことがなかったり、ひらいてもまたすぐに閉じてしまっていては、ただ刺激が強いものを求めるだけ、新しいものに振り回されるだけの人生になってしまいます。

「センス・オブ・ワンダー」

目を見張る、耳をすます、鼻の奥を開く、舌の先で味わう、指先で触れる、背中で感じる。あなたの感覚をひらくことで、退屈な世界が文字通り「ワンダーランド(不思議の世界)」に変わっていきます。

身近なものこそが退屈を吹き飛ばす

「新しいもの」はあなたの感覚をひらく一つのきっかけにすぎません。あなたが感覚をひらきさえすれば、あなたの周りの世界は新しい面を見せてくれます。

「見すごしていた美しさに目をひらく一つの方法は、自分自身に問いかけてみることです。「もしこれが、いままでに一度も見たことがなかったものだとしたら? もしこれを二度とふたたび見ることができないとしたら?」と」 (『センス・オブ・ワンダー』より)

こんなふうに見れば、毎日見慣れていたものからでも新しい発見がたくさんあるでしょう。逆に毎日のように接する身近なものだからこそ、その微妙な変化を感じ取れるようになって、面白いものになっていきます。

たとえば、大阪万博の「太陽の塔」などの作品で知られる芸術家・岡本太郎は毎日見ている「空」に、こんな言葉を残しています。

「しかし、誰でも、もう一度、無心に空をあおいで見るといい。その色は、かつて見た「青」ではないのだ。生まれてきて、いまはじめて発見する輝き、ひろさ。はじめてぶつかる、一回限りの。すると、ああ空が青かった、ということに驚く」 (『眼 美しく怒れ』岡本 太郎著 岡本 敏子編 チクマ秀版社)

毎朝の一杯のコーヒー、家族の顔、お気に入りの音楽など、身近なものに、少し立ち止まって感覚の回路をひらいてみましょう。

「センス・オブ・ワンダー」で世界とかかわり、かかわりの中でさらに「センス・オブ・ワンダー」を磨いていけば、一瞬たりとも退屈することのない毎日・人生が開けてきます。

【参考書籍】
■『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・L. カーソン 著 上遠 恵子訳 新潮社)
■『眼 美しく怒れ』(岡本 太郎著 岡本 敏子編 チクマ秀版社)

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