香味表現の第3回

ロックグラス

たまには大きなロックグラスでストレートを味わうのもいい。

さて、香味表現の最終回となった。ウイスキーを飲み慣れた方の中で、とくに香味に精通されている方たちはすでにお気づきだとは思うが、ここまでほとんどのワードが比較的心地よく感じ取れる香りや味わいばかりである。
ブレンダーが日々接するモルト原酒の中には、たとえばセメダイン臭、ゴム臭、硝煙臭など、一般的には決して心地よいとは言えない、ひと癖もふた癖もある香味がある。セメダイン臭ってなんだろう、と首をかしげる方もいらっしゃるだろうが、たとえばメロンのような香味が強く出過ぎれば、セメダイン臭のような感覚へと向う。熟し過ぎたメロンといえばご理解いただけるだろう。
こうした感覚は製品でいえばシングルカスクといった特長あるつくり込みや熟成をしたひと樽をボトルに詰めた数量限定品で感じ取ることができる。ある意味マニアックな香味である。
ブレンダーはそうした個性と格闘しながら麗しい香味を生み出している訳だが、
わたしはそこまで深い世界を知る必要はないと考えている。だからこの基礎知識ではあえてはずした香味表現がたくさんある。おゆるしいただきたい。
自分好みの心地よい香味のウイスキーを見つけて、ゆったりと味わうことをまずはおすすめする。

香味表現の解説[P~Z]

Palate/パレートは口蓋(こうがい)。直接的な香味表現ではないが、料理やワインの世界では味覚、あるいは味わいの識別力のことをいう。ウイスキーでは口に含んだ時の味わいや口中香の感じをいうときに使われることがある。
Peaty/ヘザーをはじめとした植物が炭化して堆積した、泥炭、草炭がピート。大麦麦芽の発芽を止める乾燥時にピートを燃やす。そのピート乾燥した麦芽がピーテッドモルト(Peated Malt)で、心地よいスモーキーフレーバーのことをピーティーという。*香味表現2/Iodine(ヨード)、または後述のSmoky参照
Reek/リークとは、スモーキーフレーバーのそこはかとない煙のような香(匂い)。*Smoky参照
Rich/リッチは、香味成分が豊かで、まろやかなこと。
Seaweed/シーウィードは海藻だが、潮の香、磯の香、ヨード臭などの海藻由来の香り。*香味表現2/Iodine参照
Sherrish/シェリー樽熟成のモルトウイスキーが抱いている、甘く豊かな香り。
Smoky/麦芽乾燥時に焚く、ピートに由来する燻香。ピーティーは通常心地よいスモーキーフレーバーをいう。スモーキーが強く、いがらっぽいものにはハーシュ(Harsh)を使う場合もある。
Smooth/香りや口当りがなめらかなこと。
Spicy/香辛料をきかせたような感覚の香味。スパイシーは辛みというより、爽やかな感覚で捉えることのほうが多い。
Sweetness/甘い感覚をいう。
Taste/味わい。利き酒はテイスティング(Tasting)。
Top Note/ウイスキーをグラスに注いだときに最初に立ちのぼる香りがトップノート。
Woodiness/ウッディネスは木香(きが)。熟成中に樽材から溶け出してくる香味。
Woody/オークの熟成樽の樽材に由来する香り。
Vanilla/これも熟成中に樽材から溶け出して生まれるバニラのような香りで、この甘い芳香成分をバニリン(Vanillin)という。

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