国によって異なる一杯

ワン・ショット

これがワン・ショット

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さて、今回の記事は液量単位。ウイスキーをはじめアルコール度数の高い酒に関して、一杯をワン・ショットという。アメリカではじまった表現だが、このぶっそうな言い方は、「強い酒を一発やるか」、つまり「強いのを一杯」の意味合いが転じていって、いつのまにか一杯分を示すようになった。
ところがワン・ショットに明確な規定量があるかというと、これがまちまちで説明するとなると面倒臭い。アメリカでは1オンス(約30ml)、スプーン大さじ2杯分くらいの量、30mlが標準的だ。ただジガー(jigger)という液量単位があり、ワン・ジガー45mlをワン・ショットとして注ぐ店も多々ある。

イギリスとなるとまた事情が違う。ショットの表現は1930年代にイギリスにも伝わり広まったといわれているが、イングランドとスコットランドでは液量が異なるようだ。
イングランドではワン・ショットは45mlが標準的。じゃあワン・ジガーなんだ、と早合点してはいけない。イギリスのワン・ジガーは60mlだし、ジガーという言葉は、現在のイギリスではほとんど使われていない。
スコットランドではワン・ショット60mlの場合が多い。ウイスキーの量にケチケチしないということなのだろう。アイルランドはもっと太っ腹で、75mlを注ぐ店が多いと聞く。
 

日本は30mlが一般的

日本でワン・ショットというと30mlが標準的。これは戦後の洋酒ブームを牽引したトリスバーが、アメリカの1オンス(進駐軍の影響もあったと思う)にならい、一般化したようだ。
とはいっても、さまざまなバーを飲み歩いていらっしゃる方ならばおわかりだろうが、店によってワン・ショットの量はいろいろだ。きっちり30mlを出す店は多いが、それでも45ml、あるいは50ml強をグラスに注ぐ店も随分とある。
つまりバーテンダーの匙加減、また経営方針の違いなのである。

もうひとつ、シングルとかダブルといった用語も存在する。シングルはワン・ショットの量であり、ダブルはその2倍ということだが、これこそ明確な液量はいえない。だから小説の中に「ウイスキー、ダブルで」なんて書かれていた場合は、通常の30mlの2倍はあり、最低60ml、それ以上を飲みたがっていると思えばいい。まあ、液量がいくらか、というよりも、たっぷり飲みたい、ってことを暗示しているのだ。
 

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