香味表現[M~O]
モルト原酒のサンプル(撮影/川田雅宏)
Mediumbody/ミディアムボディは、フルボディとライトボディの間に位置し、重くも軽くもなく、文字通り中くらいの酒質のこと。人それぞれに嗜好は異なるが、万人にとっつきやすい酒質といえるだろう。ライトボディ(後述) *Fullbody参照
Mellow/メロウは芳醇なこと。よい熟成をし、柔らかく、まるみがあり、豊かで心地よい香りや味わい。
Noble/高貴、気品。香味を日本語で表現するとなると、「馥郁」(ふくいく)であろうか。奥行きのある味わいで品格が漂っていること。香り自体を具体的に挙げれば、バラやカーネーションといった華やかさを抱いている。シングルモルト山崎12年が2003年のISCで日本のウイスキーとして初の金賞を受賞したとき、「ノーブル」という評価を得た。
Nutty/ナッティはアーモンド、ココナッツ、ピーナッツやチョコレートの香味を含む。ワイン様と表現される、やや油っぽい感覚を言う。バター、オリーブオイルのような香味もワイン様の仲間。ワイン様とはワイン的な香味、またはワインの熟成に使われた樽由来のフレーバーのこと。よく知られているのはマッカランやサントリーが使っているシェリー樽でのモルトウイスキー熟成。最近ではバーボン樽で熟成させたモルトウイスキーを最後に数ヵ月間、ポート、マディラ、フランスワインといった樽に移し替えてフィニッシュ(仕上げ)する製品もある。こうした樽にはワインが染み込んでいて、ウイスキーに独特のワイン様を生み出す。オイリー(後述)
Lightbody/重い成分がなく、香りも味わいも軽快に感じられる酒質をライトボディと言う。 *Fullbody、Mediumbody参照
Oily/ナッティの項で説明した、やや油っぽい感覚のものをオイリーと表現したりする。
Orangey/オレンジーは柑橘系の甘酸っぱい香りを言う。またCitrus(シトラス/柑橘類)を使う場合もある。
以上、F~Oまでを取り上げてみた。次回はPからで、香味表現の最終回。
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