プロセス・ウォーターでウイスキーを割る
天然水 南アルプス/550ml(ペット)/¥130
さてモルトウイスキーの仕込に使われる天然水のことをプロセス・ウォーター(Process Water)という。マザー・ウォーターという呼び方をするのはおそらく飲み手側の詩的な言い方ではなかろうか。母なる水といった表現をしたいのだろうと思う。ウイスキー製造の現場では昔もいまもプロセス・ウォーターである。
水割(ウイスキー&ウォーター)としてふさわしいのはそのウイスキーのプロセス・ウォーターを使ったもの、ということになる。でも悲しいかな、蒸溜所の仕込で使用している天然水を入手することはなかなかに難しい。
ただ世界的に非常に稀なのが「天然水 南アルプス」である。白州蒸溜所の仕込水を市販したもので、ベスト・セラーとなった。白州蒸溜所を訪ねたことがある人はご存知だと思うが、「天然水 南アルプス」の水工場は蒸溜所内にある。
日本人は非常に幸せだ。シングルモルト白州の水割の正統な飲み方をいつでもできる。しかも他のウイスキー、スコッチであろうとも、この天然水で割っておけば大概はおいしく飲める。
西日本の人は可哀想じゃないか、と思われるかもしれないが、「天然水 奥大山」や「天然水 阿蘇」も水割に適している。
ソーダもプロセス・ウォーター
ザ・プレミアム・ソーダ/240ml(瓶)/¥100
シングルモルト山崎10年はもちろん、エステリーな、果実や花の華やかな香味を抱いたウイスキーは、これで割るに限る。響17年をプレミアム・ソーダで割るのもいい。でも、面白いのは響17年をペリエで割ってもおいしいのだ。プレミアム・ソーダとは口中での響き合いが異なるが、ペリエはペリエの良さがある。
つまり、カクテルの面白味である。とくにハイボールは、市販されているいろんなソーダ水を試して、自分の好みを見つけるといい。このウイスキーとは合う、合わないなんてことが起こり得る世界だ。
日本は幸せな国である。原発事故による近辺の水事情は別にして、水のおいしい国だ。そして蒸溜所のプロセス・ウォーターが市販され、手軽に入手できる。水で割ったり、ソーダで割ったり、その時々の気分で飲み方を変えて愉しむことができる。どうかいろいろ試していただきたい。
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