コーチング/会議運営・面談・面接

気まずい面談 沈黙は「成長」のチャンス(2ページ目)

目標面談や評価面談は部下の現状を把握し、未来の可能性に向けてチャレンジさせる貴重な場面です。そこで面談を有効に行うためのアプローチをご紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド


主役は相手であり、あなたではない

interviews

面談は相手を主役にし、相手のモチベーション向上の場

面談の主役はあくまでも受ける人です。その人の業績を見るのであり、その人の未来について話す場です。そのことを意識することが重要です。そのためには最初の2分間が勝負です。たとえば、こんなスタートを切っていませんか。

「じゃあ、面談を始めよう。えーっと、前回の業績を見てみたんだけど、思ったよりいかなかったね。君はがんばりがきくけど、ツメが甘いところがあるんじゃないか」

など、一方的に話を始めてしまうと、相手は会話をする気持ちが起こらず、受け身になりがちです。

「これから30分は、○○さんの今期の振り返りと、来期に向けての目標設定のための時間にしたいと思います。○○さんは、この時間をどのようなものにしたいですか」

など、最初から相手に会話に関わらせること、話させることです

未来の問いかけを用意し、相手に考えさせる

面談では業績評価などの現状の把握は大切ですが、それよりも重要なのは次の期に向けての予測や次の行動を促すためのモチベーションの向上です。面談の全体の時間の4割はそこに当てることです。その部分に来たら、あなたはできるだけ聞く側に回りましょう。

現状を振り返り、次への課題が明確になったら、どんな取り組みをし、何を達成するのか、相手に話をしてもらう時間を作りましょう。そのために必要なのは、未来について問いかける質問と自分が沈黙することです。
  • これからは何が課題になりますか?
  • 次に達成したいことは何ですか?
  • 誰と一緒に取り組むといいですか?
  • 何かリスクがあるとしたらそれは何ですか?
  • 次の面談のときにはどんなことを達成していたいですか?
  • 今必要とする能力は何?
  • 私が何か力を貸せることがあるとしたら何ですか?

相手が沈黙しているときこそ、成長のチャンス

相手に考えさせる質問は、場合によっては黙って考え込むことが多いでしょう。その時はチャンス。あわてて口を挟んだり、こちらからアドバイスはしないこと。じっと我慢して沈黙すること。何かでてきたら、「他には?」とさらに聞いてみましょう。自分で考え自分で出す答えは、実践する傾向が高くなります。面談で沈黙が訪れたら、それはチャンスだととらえ待ちましょう。

ただ、人によっては、何も考えていないために話すことがなくて黙っていたり、会話そのものが面倒になって黙っていることもあります。そんな状況では会話は成り立ちません。そうならないためにも、常に相手とのコミュニケーションと自分の内面とのコミュニケーションにアンテナを立て、「ここは黙って相手に考えさせたほうが有益である」と判断したら沈黙を重視し、「この人はもうここで主体的にさせるのが無理だ」と思ったら切り上げましょう。

面談は凝縮した未来へのコミュニケーションの場です。有効に使ってあなたの部下全体の意気を上げてください。


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