人の前に、まずは自分をマネジメントせよ!
ガイドの私も約5年前からドラッカー学会に所属。私の師匠である野田一夫先生は日本に初めてドラッカーを翻訳され幅広く経営者やビジネスパーソンに紹介された方です。今号は、経営の神様と言われる、ドラッカー流のリーダーシップを紹介いたします。
リーダーたるもの、まずは自分をマネジメントせよ
名著「経営者の条件」の中で、ドラッカーはこのように言っています。確かに、自分自身をマネジメントできない人が他者をマネジメントなどできないということは当然といえば当然です。超一流と言われる方は、どんな分野でもある種のストイックな面を持っています。修行僧のように、自分を律することができるのです。かつての読売ジャイアンツの王選手やシアトルマリナーズのイチロー選手然りです。自分を律するために必要なことはビジョンを明確に持つことです。
ビジョンとは自分の理想像や目的地を意味します。そこが明確になっている人は目的に照らし合わせ、無駄なことをしないでエネルギーを集中投下できるものです。また、それを強く想うことです。何が何でも諦めずにやり抜くという強いマインドこそが自分を律することに結びつくのです。
リーダーたるもの、時代を読み解く能力を磨け
部下に対してのモチベーションをマネジメントすることはさることながら、舵取り役として如何に時代を読み解き、組織のビジョンを掲げ、そこに辿り着くための道筋を示すことができるかがリーダーには求められるのです。モチベーションをマネジメントすることは「組織力を高めるリーダーシップ5つのスキル」をご覧いただければと思いますが、時代を読み解くにはどうすればいいかということになります。日常的に五感を駆使して判断するクセをつけることでしょう。
前提として、広範な情報収集能力が求められます。政治、経済、社会、国際情勢、文化、芸術、スポーツなど、あらゆるジャンルの最新情報を掴むことです。基本動作としては日本経済新聞などの主要紙を読むこと、ボーダレス社会、ニューズウィーク等の国際情報誌にも目を向ける必要があります。
勿論、WEB等の電子媒体を通じて、iGoogleやGoogleアラートで、欲しい情報をピックアップすると生産性の高い情報収集活動が実現できるかと思います。
リーダーたるもの、変化をチャンスと見なせ
震災後の有事期において、営利活動を行ったり、営業活動をすることがよろしくない風潮がありますが、逆境やピンチの時を機会やチャンスと捉えることです。例えば、ジョンソン&ジョンソン社のタイレノール事件や近年ではパナソニック社の例が挙げられます。パナソニック社は松下電器FF式石油温風機欠陥問題で死者を出して、いち早くお詫びと回収に関するご案内をテレビや新聞で長期間流し続けました。
その結果として、海外、特にアメリカでは、あの会社は信頼できるという称賛に値する会社という地位を確立。結果として、不祥事・不具合というピンチをチャンスに変えた例ではないでしょうか。
現在のようなインターネットの普及による産業構造の変化、ボーダレス化・グローバル化の波を的確に捉え、迅速に適応できるかどうかが問われるのです。やはり、アメリカの企業はアクションが早いものです。
インターネット業界で世界を制しているgoogle社(サーチエンジン)、facebook社(SNS)、amazon社(オンライン書店)は変化を素早くキャッチして新しいビジネスモデルを作り世界的な成功を収めている会社です。