リーダーシップ/リーダーシップ活用事例

緊急時・災害時におけるリーダーシップ(2ページ目)

先週3月11日、マグニチュード9.0という超巨大地震が東北地方を中心に襲いました。被災された地域の方々には心からお見舞いを申し上げます。今回は緊急時・災害時におけるリーダーシップについて考えてみたいと思います。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


リーダーたるもの、不安感を取り除け!

不安感を取り除くことがリーダーの役目

不安感を取り除くことがリーダーの役目

有事の際にリーダーがすべきことは、メンバーの不安感を取り除くことです。

緊急時や災害時において、まずはメンバー(および家族)の安否確認をきちんとすることです。特に生命の危機に至るような状況ではここがクリアにならなければ仕事どころではありません。

次に、自社および取引先の状況把握などがあります。今回の大震災では、特に東北方面に工場があるメーカー等、大きなダメージを受けることになりますし、物の流通等でも全国規模で大きな影響を受けています。消費行動においては、物理的な側面に加えて、心理的な側面も大きいものです。

経済が滞ると、売上が落ち込んだ分のコストを下げなければなりませんので、重要度は高いものの緊急度の比較的低い採用や教育の予算を抑えるなどのアクションを採ることでしょう。

自社および取引先の状況を的確かつ迅速に捉え、メンバーにきちんと伝え、修正した事業計画や戦略目標をできるだけ早く提示することで不安感は軽減されるばずです。先が見えないあいまいな状況に人は不安感やストレスを感じるものです。正しく、リーダーは修正したビジョンと戦略を掲げ、その実現に向けてメンバーとともに一丸となって取り組んでいくことを提示することが重要なのです。

緊急時において、とるべき行動はいくつにも分かれます。メンバーの成熟度が高い自立した組織では、リーダーは、メンバーに分かりやすく選択肢とそれぞれの選択肢のメリット・デメリットを提示し、最終判断は自己責任に委ねるという形がよいでしょう。

きちんとコミュニケーションを図ることで、できる限り不安要素を取り除くことが緊急時・災害時のリーダーシップなのです。

リーダーたるもの、覚悟し、最終責任を取れ!

責任を取ろうとするマインドこそがリーダーにとって不可欠です。一家のリーダーであれば、家族内について責任を取ろうとするでしょう。会社の経営者であれば、会社内について責任を取ろうとするでしょう。国のリーダーであれば、国内について責任を取ろうとするでしょう。責任の範囲が広いことが素晴らしいというのではなく、どんな範囲であれ、責任の取ろうとすることがリーダーたる所以です。

リーダーは覚悟すること、退路を断つことです。一度決断したことは何がなんでも諦めずにやり抜くこと。最終責任は全て自分が取るということをメンバーに示すこと。そういうことから、組織の結束力や一体感が生まれ、強い組織になっていくことでしょう。
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