先の3月11日、マグニチュード9.0という超巨大地震が東北地方を中心に襲いました。被災された地域の方々には心からお見舞いを申し上げます。今回は、リーダーである管理職の方および管理職予備軍の方を対象に、緊急時・災害時におけるリーダーシップ行動について考えてみたいと思います。

リーダーたるもの、悲観的に考え、楽観的に行動せよ!

有事の際こそ、リーダーシップが求められる

有事の際こそ、リーダーシップが求められる

有事とは国家にとっての非常事態を意味します。まさに、今の東北関東大震災後の状況は有事そのものです。現段階では、リーダーとしては的確に情報収集し、的確な判断をすることにより、いかにビジネス上のロスを最小化するかです。また、コミュニケーションを通じて、メンバーの不安やストレスを緩衝することも大きな役割と言えましょう。

国家防衛のエキスパートとして知られる佐々淳行氏は1970年代、あさま山荘事件で陣頭指揮を執られたことでも有名です。佐々氏曰く、「戦略とは悲観的に考えて、楽観的に行動することである」とのことです。限られた時間の中、人命救助を第一に考える。決めるまではあらゆる可能性を考え、そして決断する。決めた以上は腹をくくり、あれこれ考えず行動するということを意味するのでしょう。

ところで、決断と判断の違いですが、決断は主観的な思いに基づく意思決定、判断は客観的な事実やデータに基づく意思決定と捉えることができます。リーダーにとって両方ともに必要なものですが、リーダーは文字通り“導く人”。そのためには強いマインドが必要です。つまり、判断力以上に決断力が求められるのです。

リーダーたるもの、バリュー(軸)を明確化せよ!

ビジョンを達成するための意思決定をする際や行動計画・アクションプランを策定するにあたり、リーダーとして自らの行動規範、バリューが必要です。会社に社員の行動規範があると同様、リーダーにもメンバーを率いるために自らの行動規範が必要です。

これからはピラミッド階層型の組織からフラットなネットワーク組織に移行していくので、益々個が自律的に機能するためにバリューが大切となるでしょう。個が自律をして連帯する社会では、理念・価値観、平たく言えば、大切にしたいもの、拠りどころ、自分の軸が必要になります。

特に、有事の際、メンバーは不安感を募らせます。そういうときこそ、リーダーは軸ぶれしてはなりません。英語でIntegrityという単語があります。首尾一貫していること、真摯であることを意味します。行動の規範的な部分であるバリュー、拠りどころが一致しているとお互いが長い関係を築くことができるでしょう。

細かいレベルの軋轢や衝突があっても、根本が一致していれば修復可能です。母なる部分という位置付けです。こういう部分をきちんと明文化して、会社では経営理念や行動規範に落とし込み、それを共有化することによって組織の結束力や一体感を創り上げ、強い組織になっていくのです。

リーダーにとって有事であればあるほど、バリューマネジメント、価値観の伝達、共有化することで組織の一体感をもたらすことが重要です。