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ハイボールの話2[ワイン/リキュール]

今回はワインとリキュールのソーダ割りについて紹介する。ウイスキー&ソーダとともに、さまざまなハイボールを試していただきたい。リキュール&ソーダのリッキー・スタイルは女性にとくにおすすめ。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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故ダイアナも愛したスプリッツァー

スプリッツアー

スプリッツアー

前回の記事『ハイボールの話1[ブランデー&ソーダ]』で、白ワイン&ソーダの「スプリッツァー」(Spritzer)が酒とソーダの組み合わせで、最初にメジャーになったカクテルだと思うと述べた。ひょっとして「ワイン・クーラー」(Wine Cooler)のようなものだったのかもしれないとも。今回はそのワインのソーダ割りについて紹介しよう。

いきなり余談。ソーダ割りでまずメジャーとなった飲み物は、酒ではなくレモネードにソーダを加えたものだろうと言われている。おそらく19世紀のはじめ、もしくは18世紀~19世紀に移ろうとする頃。これがやがて江戸時代の末に長崎に伝わり、日本ではラムネに変貌したのだろう。
何を言いたいかというと、ソーダにはレモンなんだな、と。

ワイン・クーラー

ワイン・クーラー

さてスプリッツァーだが、カクテルレシピでは白ワイン60ml、ソーダ適量ってのが通常である。わたしなんぞ若い頃、アルコール度数の低いワインをさらにソーダで割るなんて信じられない、と毛嫌いした。ところが故ダイアナがチャールズ皇太子と婚約したとき、報道陣に「どんな酒が好きか」という質問に「スプリッツアァーをよく飲む」と答えた。
このひと言で、瞬間的にスプリッツァーが世界的に大ブームとなった。

時を同じくして1980年代アメリカでは、スプリッツァーというかワイン・クーラーというか、その瓶詰めカクテルが大流行で、1984年には1200万ケースもの売り上げを記録している。アメリカ国内だけの数字であり、しかも消費者層は若者中心であるから凄い数である。

2011年はリッキー・スタイル

ところでワイン・クーラーというカクテルには定まったレシピというものがない。ワインは白、ロゼ、赤、なんでもいい。お好みのワインにジュースやソーダを加える。
またアメリカのバーではソーダを加えない場合が多いし、ヨーロッパのバーではソーダを加えることのほうが多い。
はじめに戻ると、酒にソーダを加えて世界で初めてメジャーになったカクテルはスプリッツァーのようなもの、と述べたのは、ベースが白ワインであったからだ。

左/ルジェカシス・リッキー、右/カルーア・リッキー

左/ルジェカシス・リッキー、右/カルーア・リッキー

ウイスキー&ソーダ、ブランデー&ソーダ、そしてワインのソーダ割りもいいが、ここでもうひとつ、リキュールのソーダ割りをすすめたい。19世紀末の欧米のカクテルブックのハイボールの項には、ブランデーやウイスキーとともにリキュールベースのソーダ割りが掲載されている。
古くからリキュール&ソーダという飲み方はあるのだ。
時代は繰り返されるのだが、21世紀のいまはハイボール(リキュール&ソーダ)に少しアレンジを加えてみたらどうだろう。
レモンやライムをグラスの中に沈めて、つぶしながら楽しむリッキー・スタイルを試してみるといい。若い女性にはとくにおすすめの飲み方だ。リキュールの甘みをソーダと果汁によって爽やかさへと変貌させながら飲む。一杯の遊び心が癒しとなるし、また仲間と賑やかに飲む時にもいい。

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