営業のノウハウ/新規アポイント・顧客開拓

お客様からイエスをもらうテレアポのコツとは

よく知らぬ相手から営業電話がかかってきたら、誰でも警戒するもの。テレアポを成功させるコツは、自分・自社に対して、ポジティブなイメージを持ってもらうことです。相手のネガティブな先入観を変える、ポジティブ変換術をご紹介します。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

テレアポのコツとは? 失敗してしまう2つの理由

テレアポのコツとは

相手の気持ちをポジティブに変えてテレアポを成功させよう

多くの営業マンが、いつもテレアポに失敗してしまう理由は大きく2つあります。

1つはテレアポのときにお客様に対して、「この営業マンはしつこそうだな」「押し売りされそうだな」といったネガティブな感情を抱かせていること。

そしてもう1つは、「この営業マンとなら会うメリットがありそうだな」といったポジティブな感情を起こすことができないトークをしてしまっていることにあります。「テレアポのコツとは?営業電話で顧客を警戒させる3つの理由」では、お客様に対してネガティブな感情を引き起こしてしまうテレアポトークの特徴と改善策について話しました。

今回の「相手からイエスをもらうテレアポとは」では、お客様にポジティブな感情を持ってもらうことができない、つまり断られてしまうテレアポトークの理由と改善策について
  1. 簡単にあきらめていないか
  2. 商品説明をしてしまっていないか
  3. 関心を引くトークになっているか
  4. トークが硬すぎないか
の4つにわけてみていきます。
 

簡単にあきらめてしまう原因と改善策

ポジティブな感情を持ってもらえない原因はあなたの粘り不足?

ポジティブな感情を持ってもらえない原因はあなたの粘り不足?

テレアポをすると、ほとんどのお客様は「今は必要ありません」「ほかでやっています」と言って、すぐに断ろうとします。 お客様がすぐに断ろうとする理由としては、次の3つが考えられます。

■お客様がすぐ断ろうとする3つの理由
  1. 早く電話を切りたいから
  2. 今使っている商品やサービスよりも、もっと良い商品・サービスがあることを知らないから
  3. 今は必要なかったとしても、将来必要になる可能性が高いことを考えていないから

つまり本当はお客様の側にも、営業マンと会うメリットがあるはずなのに、そのメリットに気づいていない。ところが多くの営業マンは、お客様から「必要ありません」と言われると、アポをとることを簡単にあきらめてしまいがち。これではお客様のポジティブ感情を起こすことはできません。

そこで改善策です。

■改善策:お客様の視点を「今」から「未来」に変え、導入事例を紹介する
「今は必要ありません」と言われたら、「今は必要を感じておられないかもしれませんが、この先○○のようなことが起きて必要になったときのために、情報提供だけでもさせていただきたいと思います」というように切り返します。お客様の視点を「今」ではなく「未来」へと向けさせるのです。

そのうえで他社の導入事例を話します。事例を話すことで、「確かに自分の会社でも今後同じような問題が起きて、このサービスが必要になるかもしれないな」というイメージを抱かせることができます。そして「この営業マンに会ってみようかな」という気持ちにさせるわけです。
 

商品説明をしてしまう原因と改善策

知りたくもない商品説明を長々と聞かされるのは苦痛です

知りたくもない商品説明を長々と聞かされるのは苦痛です

テレアポのときに絶対に避けたいのは、商品説明を長々としてしまうこと。みなさんもそうだと思いますが、興味のない商品のスペックをくわしく説明されても、お客様は苦痛でしかありません。

テレアポでは、商品説明よりもその商品を使うとお客様にとってどんなメリットがあるのかを話すことで、お客様の興味を喚起することに力を注ぐべき。

しかしお客様はテレアポのときに、「訪問しなくてもいいから、今電話で商品の説明をしてくれませんか」というように、営業マンに対して商品説明を求めてくることがよくあります。そこで営業マンが商品説明をすると、「そういう商品だったら、今必要ありません」と言ってガチャンと電話を切る。よくあるパターンです。

■お客様が電話で商品説明を求める理由
お客様が電話で商品説明を求めるのは、商品を説明させたうえで「必要ない」と断るための口実作りの場合が少なくありません。ですから営業マンとしては電話で商品説明はしたくないものですが、まったくしないというわけにはいきません。どうすればいいのでしょうか。

そこで改善策です。

■改善策:他社の導入事例へと話をもっていき、商品を使うメリットをアピールする
ここでも有効なのが、他社の導入事例を話すことです。商品説明を求められたときに、要求に応えるかのように見せかけて、導入事例へと話をすり替えるのです。

導入事例を話すことで、商品の概要にも触れることができますし、こちらが一番伝えたい「その商品を使うことのメリット」をお客様にアピールすることもできるわけです。
 

お客様の関心を引くトークにならない原因と改善策

丁寧すぎるテレアポトークは、かえって距離ができる

丁寧すぎるテレアポトークは、かえって距離ができる

テレアポのときには、「淀みなく話さなくてはいけない」とか「正しい文法で話さなくてはいけない」といった強迫観念を持っている営業マンは多いようです。

■トークがお客様の印象に残らない理由
しかしお客様は、営業マンのテレアポトークの一字一句に神経を集中させて話を聞いてはいません。むしろほとんど聞いていないと言ってもいいでしょう。ですから淀みなくなく正しい日本語で話すことばかりに気を取られていると、「話は整っていたけど、何一つ印象に残らないトークだった」ということになりかねません。

そこで改善策です。

■改善策:トークには、お客様が反応しそうなキーワードをちりばめる
人は「ロジック」よりも「キーワード」に反応する動物です。トークのなかにお客様がハッとするようなキーワードをちりばめることを意識してみてください。

どんな言葉がお客様の心にササるかについては、同僚や上司のテレアポや商談のときのトークと、お客様の反応を観察してみるといいでしょう。実際に同僚や上司に、普段どんなキーワードを使っているかを聞いてみるのもよいと思います。

また商品案内のパンフレットも、キーワードの宝の山だったりします。パンフレットを読みながら「この情報や言葉はお客様の心にササるな」というのを見つけたら、しっかりとチェック。テレアポトークに活かしてください。
 

トークが硬くなる原因と改善策

■お客様が堅苦しいなと感じる理由
専門用語や難しい言葉を多用したり、「さようでございます」といった丁寧すぎる言葉遣いをすると、お客様は「この営業マンは何だか堅苦しくて、今イチ会う気が起きないな」という気持ちになります。

深刻なトーンで話す営業マンに対しても、お客様は積極的に会おうという気持ちが起きなくなります。硬すぎるテレアポトークは、マイナスでしかありません。

そこで改善策です。

■改善策:硬い表現や専門用語は、軟らかい表現へ言い換えよう
まずは自分の普段のテレアポトークをチェック。硬い表現になっている部分は軟らかい表現に言い換えていきます。また専門用語については、「セールスフォース・オートメーション、つまりITを使った営業支援のツールのことですが……」というように、一度正確な用語を使った後に、軟らかい表現に言い換えるといったことをおこないます。

■改善策:自然な敬語を使う
敬語については、普段はみなさんも「さようでございます」なんて言葉遣いはしないはず。いつも上司や先輩に使っている自然な敬語を、お客様に対しても使うようにしてください。

■改善策:笑顔で話す
また深刻なトーンで話すことを避けるには、笑顔で話すのが一番。人は笑顔を作りながら、暗い声は出せないものだからです。電話だから顔は見えませんが、笑顔で話していると、それが「笑顔声」となって相手にも伝わります。


テレアポは、どんなに優秀な営業マンでも成功することよりも失敗することの方が圧倒的に高い作業です。けれども今回お話ししたように、ちょっとした工夫で成功率を上げていくことは十分に可能です。

みなさんの健闘をお祈りいたします。
 
お客様にポジティブなイメージを持ってもらうテレアポのポイント
  • アポを取ることを簡単にあきらめない
  • 商品説明で終わらない
  • キーワードをちりばめ印象に残るようなトークを
  • 硬い表現は軟らかい表現に言い換え、自然な敬語を使って笑顔で話そう

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