部下の未来を具体的にする質問
未来は常に語り続けることによってより具体化する
- どんな仕事の領域を扱っている?
- 一緒に誰と組んでやっているだろうか?
- どういうメンバーと共にいるのだろう?
- そのときの君のポジションは?
- そのときに必要な能力は何だろうか?
- どんな能力を発揮しているだろうか?
- そのために、何を学ぶ必要があるだろうか?
- 会社はどうなってるだろうか?
- どんなことが課題になっているか?
- 世間からどのように見えているだろうか?
「この前、君はプロジェクトを担当したいといっていたけど、それについてもっと話そう」
大事なのは問いかけ続けることです。常に話題にすると、ヴィジョンはより鮮明になっていきます。
面談を効果的に使う
定期的に行われる面談は、モチベーションを上げるいい機会です。やってきたことの評価を本人に伝える場ですから、変化の動機づけの「今の自分の姿がわかっている」項にも関係します。「君がやりたいというプロジェクトに関わるには、担当領域をもう少し広げる必要があるね」
「提案力は低くないけど、今よりオリジナリティのある提案をするにはどうすればいいかな」
日頃、ヴィジョンについて話す機会を持っていれば、成績の評価、能力の評価などは、ヴィジョンに向かう上での現状を明らかにする貴重な場面です。また、面談は「学びがある」というところにも関連します。
「君がやりたいと言っていることを実現するために、交渉力をもっと発揮してほしい」
「これから伸ばしてほしい力は提案力だ」
など、ヴィジョンにリンクさせて伝えることです。学習とは、やれなかったことがやれるようになるという喜びが伴う体験。部下がヴィジョンで話していることを達成できるよう何を学習すればいいか常に考え、そのことを伝えることです。
最後に大事なのは「実践する場」があることです。部下をさらに成長させるために、日頃からヴィジョンについて語り、現状の姿を伝え、学びの場を増やすこと。そのことについて共有すればするほど、何を実践させるかが明確になります。
変化への動機づけの4つのポイントを意識して、部下のモチベーションの向上に取り組んでみてください。
注釈1
Richard E. Boyatzis, Kleio Akrivou, (2006) "The ideal self as the driver of intentional change"
〔関連情報〕
部下育成がうまくいくコーチング手帳術