会社に入社して3年ほどすると1つの節目を迎えます。仕事にも慣れたり、任される領域が増えたり、人間関係もある程度確立したものとなります。入社してわけが分からないまま突っ走ってきたフェーズから、周りの状況が見えるフェーズに入り、一瞬気も緩む時期だといえるでしょう。

その時期の部下を次のステップに行かせるか、同じところに留まらせてしまうかは上司の部下育成力次第です。社会人3年目は大事な変革の時期。そこで、この時期のモチベーションを上げる方法について取り上げます。

3年目には「変化」を与える

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変化への動機づけを意識して部下と関わることが、モチベーションアップにつながる

部下育成に大切な要素は、モチベーションを上げることであるのは誰もが知っています。方法論はいくつもありますが、そもそも何によってモチベーションは上がるのか、ということについて理解することが大切です。

モチベーションは文字通り「動機づけ」。相手が何によって動機づけられるかが主なポイントとなります。今回の場合は、3年目という節目を迎えて次のステップに行くという前提を考えると、「変化」がキーワードとなります。

ここで注意しなければならないのは、人は基本的に変化を求めないということです。「ここまで無事生き伸びてきた安全」を脅かすようなリスクを冒したくないのは、自然な生物学的な反応。今までと違う行動を起こすことに無意識な抵抗感が起こります。すなわち、変化は危険なことなのです。

その一方、成長する上で、「変化したい」という欲求もあります。変化の動機づけには次の要素が大きく影響することと研究(注1)で知られています。

  1. 自分の未来のイメージが見えている
  2. 今の自分の姿がわかっている
  3. 学びがある
  4. 実践する場がある

この4つのポイントを踏まえて関われば、変化への抵抗を乗り越え、次のステップに行くモチベーションを上げることができます。

未来のイメージを具体化する

アメリカの大学で、卒業時に成功している自分の未来像を書かせるカリキュラムを持っているところとそうでないところでは、数十年後の成功率に大きな差があるという結果があります。将来のヴィジョンを持ち、そのことについて語る機会がある人とない人では実際の行動に違いが生じたといえるでしょう。

ヴィジョンは、変化の動機づけの「自分の未来のイメージが見えている」に密接に関わっています。そのため、将来のヴィジョンを作る機会を持つことは重要です。しかし、ヴィジョンを作るというと、「3年後の自分をイメージする」「10年後の姿を書く」ということだと思われています。3年後の何月何日、というゴールがあって、その日に達成していることをイメージすると思いがちで、1回ヴィジョンを書いたり話したりすると、それで終わってしまうケースがほとんどです。

ここで大切なのは、ヴィジョンは作り続けるものであるということを理解することです。たとえば、今日から見た3年後のヴィジョンは1週間後には、前回から3年と1週間経っていて、さらに1週間後はそこからさらに1週間経っています。つまり、ヴィジョンメイキングとは、一度たてた固定化された日に向かうのではなく、現在進行形で先に進んでいくものなのです。ヴィジョンは毎日更新する必要があるのです。