1.ビール市場で繰り広げられる熱いバトル
2.遂に重い腰を上げたビール業界の雄アサヒ
3.第3のビール市場で起こった異常事態とは?
4.第3のビールで首位が2社のカラクリ
5.“No.1”マーケティングの秘訣
1.ビール市場で繰り広げられる熱いバトル
ビール業界では今キリンとアサヒの両雄の対決が熱い! |
4月10日に発表された2009年1-3月期のビール類出荷量ではキリンが前年同期比1.3%増の3442万ケースに対して、アサヒは6.7%減の3271万ケース。僅かな差ではあるが、2年振りに四半期ベースでキリンがアサヒから首位を奪還するなどトップ2社のシェア争いは特に熾烈を極めている。
キリン躍進の理由は『第3のビール』。
消費者の節約志向からビールが敬遠され、価格的に安い第3のビールに人気が集中しているのだ。統計ではビール類の中で最も価格帯の安い第3のビールが29.5%増の2662万ケースに対して、ビールは11.4%減の4383万ケースと明暗がくっきりと分かれた。全出荷量に占めるビールの割合は前年同期比4ポイント減の48%となり、四半期として初めて5割を切ったことからも、消費者が価格の高いビールから安い第3のビールへ流れていることが窺がえる。
『スーパードライ』を最強の武器に戦うアサヒは、ビール市場縮小の影響をもろに受けることになりマーケットシェアが減少、逆に発泡酒に『麒麟淡麗<生>』、そして第3のビールに『のどごし<生>』という強力なブランドを擁するキリンは、ビール市場からその他のビール類市場へ顧客が流れれば流れるほどシェアがアップする仕組みが出来ており、その構図が今回キリンを首位に押し上げる要因となった。
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