徹底的に“朝”を研究して成功を収めたハウス食品の「めざめるカラダ朝カレー」シリーズ
ハウス食品は温め不要の朝専用カレーを開発してヒットに繋げた!(画像はイメージです) |
朝、昼、夜といった時間軸によるセグメンテーションはここ最近頻繁に活用されるセグメンテーションであり、数年前は缶コーヒーで朝専用を謳ったアサヒ飲料の「ワンダ モーニングショット」が大ヒットを記録したことが記憶に新しい。そこで、ハウス食品もカレーを朝食べる習慣の高まりに応えて、“朝専用”のカレー開発に挑戦することとなる。
まず、日本人が朝食にかける平均時間を調査したところ、わずか10分しかないことが判明した。従来のレトルト製品では沸騰したお湯で温め直すために3分程度の時間が必要となるために、消費者のニーズには応えられない。そこで、温め直さずに熱いご飯の上にかけるだけでおいしく食べられるカレーを開発。しかも朝食ということで、胃がもたれないようにカレーのとろみを抑え、具材をできる限り細かく刻んで食べやすさをアップさせた。
ハウス食品はプロダクト戦略ばかりでなく、プロモーションもよりターゲットに適切な戦略を実施。通常レトルトカレーと言えば、単身者が料理の手間を省くために利用するというイメージがあるがハウス食品はメインターゲットを親子に定め、テレビCMも主婦が子供などを送り出して一服する午前中に集中的に放送し、主婦層に対して大々的なアピールを行った。
時は受験シーズンと重なり、カレーは脳を活性化させて集中力を高めるという報道と共に、ハウス食品の一連のマーケティング戦略が功を奏して、狙い通りに主に受験生を抱える主婦層の購入に結びつき“朝カレー”という一つのジャンルの確立に成功した。
マーケティング戦略では、ただ単に売れそうな製品やサービスを開発しただけでは成功するとは限らない。製品にマッチしたターゲット、プロモーション、価格、流通など一連の流れが重要なポイントとなる。
このような観点から見れば、ハウス食品の「めざめるカラダ朝カレー」は、製品、ターゲット、プロモーションなどマーケティング戦略の個々の要素がうまくかみ合って成功を収めた好事例と言えるだろう。
<参考文献:日経MJ 5月20日号>
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