プレゼンで熱意を伝える……プレゼンにおける2つの誤解
プレゼンは情熱だけでも、情熱なしでも成り立たない
「プレゼンテーション」と「情熱」。これらの関係性について、2つの誤解があるように感じています。
1つは「プレゼンは情熱がすべて! 気持ちさえ伝われば、わかってもらえる」という誤解。情熱100%というタイプですね。
そしてもう1つは、「プレゼンは、話す技術で成り立つもの。そこに情熱なんてものの入り込む余地はない」という誤解。逆に情熱を100%否定するタイプですね。
どちらも極端な主張であり、真実ではありません。真実はその両極端の間、「熱いハートとそれを活かすスキル」にあるのです。
プレゼンにおいて情熱が果たす役割とは?
読者のみなさんは、こうしてプレゼンテーションに関する記事を読まれているくらいなので、「プレゼンは情熱がすべて!スキルはいらない」とは考えておられないでしょう。情熱がすべてならば、記事から学ぶものなどないわけですから。
しかし「プレゼンには情熱なんていらない」という情熱不要論の方もいらっしゃるかもしれません。そういう方に対しては「情熱のプレゼンにおける効用」をお話しする必要があるでしょう。
さて、ではプレゼンにおいて情熱は何の役割を果たすのでしょうか? ズバリ言うと「感情を揺り動かす」役割です。
感動の分だけ、お得感がある
たとえば、あるお客さんがA社とB社から提案を受けていたとします。そして、その提案内容はA社・B社ともに同等程度のもの。しかし、A社は「ぜひ、お客さんのためになりたい」という思いが強く、B社は「自社が儲かればよい」という考えだったとします。その思いがそのままお客さんに伝わったとしたら、きっと契約はA社と取り交わすでしょう。
これって、自然なことですよね。同じ提案ならば、相手の思いの分だけ、A社の提案のほうが心が動く。「そんなにうちのことを思ってくれてるんだ」という感動の分だけ、A社のほうがお得に感じるのです。
情熱というのは、発信側の「感情の揺れ」です。そして、その「感情の揺れ」は受け手にも伝染するのです。
情熱の伝え方
「なるほど、情熱がプレゼンにおいて重要なのはわかった。しかし、情熱があっても、それはどうやって伝えればよいんだ?」
ごもっともなご質問です。そう。情熱があることは大切なのですが、それだけではダメ。情熱は、伝わらなければならないのです。上手に伝えるためのスキルというものがあるのです。具体的な方法として、いくつかお話ししましょう。
1.声の抑揚・表情の変化
情熱があるのにそれが伝わらないのは、単調な話し方が原因な場合が少なくありません。単調な話し方とは、声のトーンと顔の表情に変化がないこと。「どうしても伝えたい!」というシーンと、さほど重要でないシーンで全く同じ話し方をしてしまっているのです。
そうではなくて、ここぞというシーンでは、声を大きくしたり、トーンを高めたり、表情を強くしたり変化をつけてやることです。
2.ボディランゲージ
同様に、ボディーランゲージによっても、変化を強調できます。日本人はこれが苦手な方も多くいらっしゃいますが、そこはトレーニングで強化できますね。
3.言い切る
「……ではないかと思います」「……なのかもしれません」そんな歯切れの悪い表現ばかりを続けていると、聞き手も「自信がないのかな?」と感じずにいられません。はっきりと言い切ることを通じて、自分の強い思いや信念を伝えることが大切です。
4.エンディングで「熱い想い」を伝える
ストレートに「熱い想い」を伝えるというのも、有効な手ですね。ただ、聞き手との関係性が全くないところでそれをやってもひかれるだけ。だから、少しずつ距離感を縮めていきながら、最後のエンディングでガツンと想いをぶつけるというのがやりやすい方法です。
スキルありきではない
情熱を伝える方法について、4つのほどスキルを通じてお話ししてきました。「なんだ、結局スキルなのか?」と感じられた方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
スキルありきではないのです。情熱がある前提で、それを表現するのにスキルを使うのです。スキルによって、情熱の無さをカバーすることはできません。そんなものは、簡単に見透かされてしまいます。
「まずは熱いハートを。次にそれを活かすためのスキルを」これが一番のメッセージです。
■関連サイト
◆「営業力がUPするプレゼン術」
ガイド野村の著書。お時間があれば合わせてどうぞ。
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