双方向コミュニケーションを起こす3つのコツ
部下との会話量がコーチ型マネジャーのチェックポイント |
(会話ログ例)
3月3日
石坂:受注が入り好調。成功体験を他のメンバーに伝えるように依頼
櫛田:新規戦略についての報告が遅れている。今日確認すること
米沢:女子誕生の報告を受ける
上記で関心がないと会話をする必然性を感じてないということを紹介しましたが、恋に落ちるとその人について一日中考え、話しかける一瞬の機会でも逃すまいとした経験は誰もが持っているはず。同じように部下について考える時間を増やすだけで、会話を交わすモチベーションは高まります。
部下との会話をどれくらいの量に増やしますか? その目安をまず決めましょう。それから以下のことに取り組んでみることです。
相手の話を最後まで聞く
一方通行ではなく、お互いが話し手になり、聞き手となる。これが双方向のポイント |
一発で自分が話したいことを話せる人はまずいません。質問を怠って、すぐに聞いたことをもとに自分が話したいことを話し始めると、意見されてしまった、否定された、アイディアを持っていかれた、など、聞かれていない、という気分に陥らせてしまうので要注意。相手が話し終わったあと一呼吸おいてから話す、というのも効果的な方法です。
相手が話しやすい態度をとる
会話をするときに、相手との距離やポジションを意識していますか? 誰でも物理的な心地よさを感じる安心ゾーンというものがあります。その人の右にいたほうがいいのか左か。前がいいか、斜め横のほうがいいか。目線は右がいいか左がいいかなど人によって異なります。ためしに、真正面から相手を見下ろす位置を想像してみてください。そのとき相手がどんな気持ちを持つかは、説明するまでもないでしょう。
話しやすいポジションは大体の場合、お互いに同じ方向を向き、斜め45度くらいの角度で向き合って座る。物理的に無理な場合は、体の向きをちょっと斜めにしたり、そのような気持ちを持って会話すると、話しやすい場を作ることができます。
相手が自由に話し続けるように質問をする
効果的な質問は会話を促し、より具体的な行動プランに変化させる力があります。「ここがわからないので、もう少し教えてください」「今○○と言ったのはどういう意味で使っている?」「そのところもう少し具体的に聞かせてほしい」などの質問をして、会話を促すこと。質問せずに相手の話を鵜呑みにして話を続けると、どんどん横滑りに展開しどこにも行き着かないことがあります。あなたのことに関心がありますよ、と示すことができるのが効果的な質問です。部下が安心して自分の考えていることを展開させ、具体化することを促すこと。それがポイントです。成績を上げるという漠然とした話を、得意先Aに電話するという具体的な話まで落とし込むには、お互いに十分に話せるという安心感とコミュニケーションの量が必要です。
注意が必要なのは、あなたの正しさを証明するための質問をしないこと。「この企画はまだドラフトの段階だよね」「君はこれでいいと思っているのか」など、イエス、ノーでしか答えられない質問は詰問と同じです。
双方向のコミュニケーションを心がける際は、キャンバスに向かって一緒に絵を作り上げていくことをイメージすることです。自分を主張する一方通行のコミュニケーションでなく、お互いに話し合い、聞き合う。これを意識することです。
次回は、コーチングの3原則の2つめ「個別対応」を取り上げます。
■コーチングの3原則
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