リーダーシップは行動であり、スキルである
では、リーダーシップはどのように身につけ、磨いていけばよいのでしょうか?
みなさんの中には、リーダーシップを先天的な個性や能力、資質を持ったカリスマのみが有するものだと捉えられている方も多いかもしれません。この背景として、よく「昔はよかった」と過去の日々が懐かしさのあまり美化されるように、今までリーダーと呼ばれてきた偉人たちまでもが美化されてしまった経緯が挙げられます。
そのため、リーダーが実際よりも遠い存在として扱われている可能性があります。もちろん、先天的にカリスマ的な資質や魅力などを生まれ持った人物がいないとは断言できません。
しかし、リーダーシップは経験や努力によって身につけることができる後天的な能力であり、生まれつきという言葉だけでは説明しきれない現実があります。現に、今までリーダーと呼ばれてきた大抵の人たちも、育った背景や環境などで後天的に身につけたといってよいでしょう。「経営の神様」と呼ばれるピーター・F・ドラッカーも、「リーダーシップの本質は行動にあり、リーダー的資質やカリスマ性とは関係ない」と述べています。
リーダーシップは実践すれば磨かれる
リーダーはフォロワーに依存すると同時に、部分的にはフォロワーによって形成される傾向もあります。つまり、誰しもが何かをきっかけに、不意にリーダーになる可能性を持っているのです。
だからこそ、早いうちからリーダーシップを意識して、場数を踏むことが何よりの訓練になります。頭で理解しているのと実際に行うのとでは、180度違います。知識を体系化するということだけにとどまらず、いかに自分自身のアクションに落としこんでいくかが重要になるのです。
そうすることで、皆さんの存在価値といったものが自然にできあがっていきます。率先してアクションを起こす人ほど、様々な経験を積むことができるため、能力の向上スピードも速いものです。これを念頭に置いたうえで、社内プロジェクトに積極的に手を挙げてリーダーを務めることや、研修や異業種交流会などへの参加を通してリーダー経験を積むといったことをしていきましょう。