湾岸エリアは広範囲で危険度大
大阪市危機管理室が発表している液状化予測詐害想定図。オレンジに見えるところが危険度が大きく、緑のところが危険度が少ない。 |
まず、全体の図を見て、液状化の危険度が高いエリアが広範囲に広がっているのが、海に近いエリア。西淀川区、此花区、港区、大正区、住之江区の湾岸近隣が危険度が高くなっています。その中でも特に危険なところが、「USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)」周辺と大正区、住之江区のエリア。いずれも、工場などがあるところです。
その中で唯一、住宅街で危険度が高いエリアがありました。住之江区の地下鉄四つ橋線「北加賀屋」駅周辺です。住吉大社の近くで団地などがあるところ。充分、注意する必要がありますね。
唯一の安全エリアは上町台地
大阪市内でも液状化が極めて発生しにくいエリアがあります。それが、上町台地と呼ばれるエリアです。北区の天満あたりから、上本町、帝塚山、我孫子あたりまで続き、大阪市内で唯一の液状化安全エリアとなっています。このエリアは、古くから高台で地盤が強いところといえます。聖徳太子が建立した「四天王寺」があることでもわかりますね。また、「難波宮」が置かれたり、「大阪城」が建てられたりと歴史的にも大きな役割を果たしています。古くからの社寺があるところは地盤が強いといわれるもうなずけますね。
また、ガイドのおすすめエリアでご紹介した 大阪屈指の住宅街「帝塚山」、歴史ある都心の街「上本町」も、この上町台地にあります。古くからの由緒ある住宅街は、地盤もしっかりしたところにあるというわけです。
都島・鶴見も危険エリア
最後に内陸部にある危険エリアをご紹介しましょう。住宅もたくさんある普通の住宅街です。そこは、都島区の地下鉄谷町線「都島」駅周辺。このエリアは、公団住宅やマンションなども多く建設されています。また、旭区の地下鉄谷町線「関目高殿(せきめたかどの)」駅周辺も危険エリアがあります。普通の住宅街で、小学校などもある一画。他にも、鶴見区の地下鉄鶴見緑地線「横堤」周辺にも危険エリアがあります。ここは「鶴見緑地」の南にあたるところ。市営住宅などが並ぶエリアです。
このように、地盤の強さは普通の地図を見たり、現地を見たりしても決してわかるものではありません。内陸部の意外なところが危険であることがよくわかりました。今では普通の住宅街として賑わっているものの、実は地盤が弱いというところが意外と多くありますね。
これらの危険エリアを調べることができるのは、自治体から出ている地震被害予想マップのようなもの。これらを入手して、危険エリアをきちんと把握することが大切ですね。 逆に、危険エリアに住んでいるからといって慌てることもありません。危険度を先に知ることができたので、対策を考えればいいのです。対策を講じることで、被害は最小に食い止めることができます。
いかがでしたか?大阪市の液状化予測をご紹介しました。大阪で大きな地震があると、液状化の被害がかなり深刻になりそうです。対策をしっかりとして、安心して暮らせるようにしたいものですね。
【関連サイト】
・大阪市危機管理室
・大阪市危機管理室 災害想定(震度分布・液状化予測)について
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