淀川右岸を大阪から京都迄並行して走るJR京都線と阪急京都線。両路線はかなり近い場所を通っており、梅田(大阪)を出てから両路線の駅が1km未満しかない箇所が11ヵ所もあります。一番近いのはJR「山崎」駅~阪急「大山崎」駅でわずか240m。次はJR「摂津富田」駅~阪急「富田」駅で300m。今回は、両路線の駅が三番目に近くなるJR「岸辺」駅~阪急「正雀」駅周辺を紹介いたします。

正雀・岸辺エリアの「三つの分断」

JR「岸辺」駅と阪急「正雀」駅の間は約400mと大変近いです。が、両駅周辺は、住宅地としての一体感があまり感じられません。理由は以下の3つの分断によるものと推察されます。

    正雀、道路建設予定地

    道路建設予定地で分断される阪急線南側

    正雀工場、阪急、岸辺

    阪急電鉄正雀工場敷地は阪急線沿いからJR線沿い迄あり、完全に周辺エリアを分断している

  • 行政区による分断
    阪急「正雀」駅のすぐ北側を線路に直行して通る道路が市域界であり、北側が摂津市、南側が吹田市となっています。同駅圏内であっても行政区域が異なれば幼稚園や学校区、公共行事等が異なり住民の交流が少なくなります。
  • 線路による分断
    JR線/阪急線で南北3つに、さらにその南北を南は安威川、北は幹線道路(大阪高槻京都線)により分断されています。一般的に、線路や河川で隔てられているエリア間は、エリア感の往来がしにくいため住民の行き来が少ない場合が多いです。
  • 施設の敷地による分断
    JR吹田操車場跡地、阪急電鉄正雀車庫・工場、大阪学院大学、道路予定地等の広大な敷地があり、エリアが分断されており地域毎の連続性が失われています。

開発余地多く、将来性の高いエリア

JR吹田操車場跡地

JR岸辺駅より北方にある広大な敷地

吹田操車場跡地

ロータリーは既に完成している

また、正雀・岸辺界隈は、駅を中心に市街地・商業地が拡散している様子がありません。周囲から分断されている事にも原因があるように感じます。昭和40年代以降に開発された住宅地の中に商店が点在している景色が多く見られます。また空地、青空駐車場、田畑などの低・未利用地も多くあります。未利用地の圧巻はJR「岸辺」駅線路沿い北側の摂津市と吹田市にまたがる広大な未利用地「JR吹田操車場跡地」です。こちらではUR都市機構により「ひと・緑・みず_交流のまちづくりプロジェクト」が進められています。

現状は、大手デベロッパーによる分譲マンションが大変少なく、知名度が低いエリアですが、以下の2点から今後分譲マンションが供給される可能性が高いといえます。

  • 沿線相場の高騰、高止まり
    ここ10年来、工場や社宅等の跡地開発でJR「茨木」・阪急「茨木市」駅、JR「高槻」/阪急「高槻市」駅周辺に分譲マンションが継続供給されており、利便性を評価され分譲単価は強含みとなっています。「相場価格」での購入が難しい層が沿線の他物件に流れる事が考えられます。
  • 周辺開発による期待感
    JR「岸辺」駅北側の「JR吹田操車場跡地」開発はもちろん、阪急「総持寺」駅の西側約600mの場所に予定されている(仮称)JR「総持寺」駅計画とその周辺開発、2015年4月JR「茨木」駅隣接に開校する立命館大学大阪茨木新キャンパス等、JR京都線、阪急京都線沿線で複数の大規模開発が進行しており、沿線全体の住宅地としての評価が底上げされる可能性があります。

地元業者による一戸建て分譲と違い、大手業者による分譲マンションは広域での広告展開を行います。その結果、さらに周辺の知名度が高まり、当初の物件の売行きがよければ別の業者による分譲事業が行われます。結果として、今迄ほとんど供給のなかったエリアに複数のマンションが一度に建築されるという事象が起きます。

JR、阪急の2線2駅が使え、都心迄の絶対距離が近い正雀・岸辺周辺は、通勤・通学の利便性が高く住宅地としてのポテンシャルが高いエリアです。次のページでは写真を中心にその街並を見てみましょう