尼崎市といえば、ダウンタウンが自らの地元として紹介する時の面白おかしいエピソードや「尼崎ボートレース」等のイメージが大きく、いわゆる「下町」といったステレオタイプで語られることが多い街。しかし、西宮市をわずかに下回るものの46万人を超える人口をもち南北に長い尼崎市は、大きく分けて阪急・JR・阪神の3沿線で非常にその雰囲気が異なります。まずは、市内北部にあたる阪急沿線からみてまいりましょう。

3沿線で一番新しい阪急沿線

郊外的な風景
ほんの駅近にある一般的な戸建て街。大きな区画もあるがおおよそはこのような感じ
阪急神戸線の尼崎市内の駅は大阪側から順に「園田」「塚口」「武庫之荘」の3駅。「園田」「武庫之荘」は普通電車のみ停車。「塚口」は、特急は通過するものの急行等が停車し、伊丹線の発着駅でもあります。JR線や阪神線が明治時代から駅があったのに対して、阪急線の各駅は、「塚口」駅が大正9年、「園田」駅と「武庫之荘」駅はどちらも昭和に入ってからの開業と割と歴史の浅い沿線です。そのせいかJR沿線・阪神沿線と比較して、密集した旧市街地は少なく、街路・区画も整然としているところが多いです。

郊外的な風景
田んぼに賃貸住宅。その向こうに見えるのは工場。このような混在風景がまだまだ残る阪急沿線
いずれの駅も徒歩圏内に古くに分譲された住宅地が存在し、駅から少し離れると(最近少なくはなってきましたが)田んぼなどの残る風景があります。田畑のあるのどかな景色が落ち着く方は阪急沿線がおすすめです。また、町工場的な小規模工場も地域によっては存在しますが、他の2沿線と比べると少なめ。買物はスーパー・商店街ともに駅から徒歩圏にあり、“日常買物便”としては充実しています。ちなみに阪急3駅のなかで一番大きなショッピング施設はダイエーが核となる「塚口さんさんタウン」。阪急線「塚口」駅南側駅前にあります。

また、3駅とも駅徒歩圏内に猪名川公園上坂部西公園
大井戸公園等の大きな公園があり、住環境のインフラは十分にそろっています。

続いては、市内中心部のJR沿線です。

開発で大きく顔の変わったJR沿線

JR尼崎駅周辺
JR「尼崎」北側の風景。大きな区画に整然と建物が立ち並ぶ
尼崎市内にあるJR神戸線の駅は東が「尼崎」、西が「立花」の2駅です。
「尼崎」は駅北側における再開発事業と平成9年の東西線開通によって、「立花」
もおなじく駅南側の再開発によるフェスタ立花の完成により駅周辺の雰囲気が全く変わりました。「10年来駅周辺には行ったことがない」という方はあまりの変わりように元の景色が思い出せないのではないでしょうか。特に大きく変わったのは「尼崎」駅。駅のすぐ北側にあるホテル「ホップイン」、「アミング潮江」、尼崎中央病院、南側に「ミドリ電化」。また、2009年秋には阪神百貨店・平和堂などが入居予定の「(仮称)キリンガーデンシティ」が開業予定。ますます便利になりそうです。大阪駅までは「尼崎」駅から快速・新快速で1駅、と利便性も抜群です。

JR「尼崎」駅南側
JR「尼崎」駅南側の風景。高層建築物のならぶ北側とは対照的
とはいえ、再開発とは反対側の駅前は大きくは変わっておらず、両駅とも「新しくなった側」と「昔から変わらない側」といった図式になってます。ただ、再開発側も駅から少し離れると、工場・住宅・商業等が混在する雑然と雰囲気。でも、混在している=いろいろなものがある、ということ。徒歩や自転車での街散歩でいろんな発見ができる街でもあります。

最後は市内南部を走る阪神沿線です。

商店街が印象的な下町情緒の阪神沿線

商店街 杭瀬
阪神「杭瀬」駅の北方にある商店街。幹線道路沿いのアーケードには商店が立ち並ぶ>
阪神本線の尼崎市内の駅は東(大阪より)から順に「杭瀬」「大物」「尼崎」「出屋敷」「尼崎センタープール前」「武庫川」の6駅。阪急やJRと比較して倍以上の駅数! 駅それぞれに雰囲気は違うものの、阪急・JRの駅周辺と比較すると総じてDEEPな印象。阪急・JR線沿いが「郊外都市」的な顔であるのに対し、阪神沿線は、固有の街の歴史を感じます。駅近辺の商店街、そして集合住宅と小規模な一戸建て住宅、街路もそれほど広くない街並み、といった印象の阪神沿線は下町風情の一番残る沿線です。

この沿線で買物するならやはり商店街。「杭瀬」駅、「尼崎」駅から「出屋敷」駅にかけては大規模な商店街があります。特に中央商店街・新三和商店街などの複数の商店街が連なって広範囲な商業ゾーンとなっており、尼崎にこだわった商品ばかりあつめた「メイドインアマガサキショップ」なんてお店もございます。こちらについては楽天内のアマガサキタウンでも購買可能です。東側に比べると「出屋敷」以西は商業施設には乏しいです。

阪神沿線というと、どうしても昭和40年代の公害イメージが残っている方も多いでしょうが、行政を中心とした「尼崎21世紀の森構想」や地元の方の努力の効果もあり、最近ではかなり様変わりしています。生活排水等による汚染がひどくいわゆる「どぶ川」であった庄下川が、魚の住める状態にまで改善されたとして、平成12年度の建設大臣賞「甦る水100選」を受賞したのは象徴的です。

では、次ページでは住宅事情を見ていきましょう。