文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド) 当日お話をお伺いした、親世帯ご両親と子世帯奥様 実際に、二世帯住宅で暮らすご家族にお伺いし、ガイドがリポートする「二世帯住宅リポート」。訪問したのは、ご入居されて約1年、完全独立二世帯でお住まいのA様ご家族。親世帯ご両親と子世帯奥様に、二世帯の暮らしぶりや同居の心構え、二世帯住宅を計画する時の注意点など、経験者ならではのアドバイスをお話して頂きました。参考になる話がたくさんありますので、ご一読下さい。 同居のアプローチは子世帯から 新築を機に、二世帯同居をはじめたA様ご家族。ご長男である子世帯・ご主人のご一家とご両親の、息子夫婦同居です。住まいは完全独立型二世帯住宅で、両世帯ともに新しい土地での新生活スタートとなりました。 同居の話は、子世帯からのアプローチだったとのこと。5人家族でお子様も大学生・高校生と大きくなり手狭になったことから、ご両親を誘い、新しい土地を探して、両世帯が住める二世帯住宅を建てることとなりました。子世帯からの誘いに「とても嬉しかったですね」とご両親。こうして、土地探しから始まった二世帯住宅計画。土地が見つかり、設計図を作成し、入居に至るまで、約1年以上の月日を要しました。 お互いのペースは崩さず自然体で お孫さんとバス停でばったり会うのも楽しみのひとつとのこと。コミュニケーションはあくまで自然体で。 2004年4月、新居に入居したA様ご一家。この1年間の暮らしぶりについてお伺いしてみると「お互いマイペースで生活してますねぇ。」とともに顔を見合わせる両世帯の皆様。「普段の生活はまったく別々なので、孫とはバス停でばったり会って「よっ!」なんてこともあるんですよ。そんな時は途中まで一緒に行ったりして、それもまた楽しみのひとつですよ。」と親世帯・ご主人が笑いながら話して下さいました。 お子様が大きいため、子世帯のご家族だけでも、仕事・大学・高校・クラブ・バイトと、皆の生活リズムがバラバラですから、両世帯の生活リズムが違うのも、ごく自然のこととして受け止めている様でした。 また、両世帯で何かルールはありますか?という問いに対しても、「特に無いんですよ。お互い訪問する時は、インターホンで声を掛けることくらいです。」と、いたってシンプルな約束ごとだけ。1日1回は声を掛けるとか、1ヶ月に1回は一緒に食事をするなど、交流のルールがあるかと思っていたのですが、「ルールを決めてしまうと、お互いにとって窮屈でしょ?かえって上手くいかないんじゃないですかねぇ。」とおっしゃる親世帯・奥様。余計な干渉や気遣いをすることなく、自然体で生活しているということが、その言葉からうかがえました。 交流は日常のいろいろなシーンで 共通の趣味は囲碁。休日は親子対局を楽しみます。 とはいえ、両世帯の交流はさまざまなシーンで展開されています。両世帯ご主人の共通の趣味は囲碁。お休みの日には、子世帯ご主人が庭づたいに親世帯を訪れ、親子で対局を楽しまれるとのこと。また子世帯奥様は、お母様から夕飯のおかずや食材などのお裾分けがあると、1階のお台所を訪ねることもしばしばあるそうです。キッチン2つの二世帯住宅のメリットですね。 お孫さんとの関わり方もいろいろ。親世帯・ご主人は、気になる新聞記事などをスクラップしてお孫さんへ渡すそうです。「親が言っても聞かないけれど、おじいちゃんに言われれば耳を傾けるんですよ。」と子世帯・奥様は言います。これも二世帯ならではの効用でしょう。一方、親世帯・奥様は、アイスクリームを食べにふらりと顔を出すお孫さんのために、好みのアイスクリームを常備しているとか。やはり、孫には甘い一面もあるようです。 また時には、重たい水のペットボトルをお孫さんが運んで来てくれることもあるそうです。優しいお孫さんですね、との感想に「もちろん、お小遣いもしっかり貰えますからね!」と子世帯・奥様の一言。一同納得。日常のさまざまな場面での楽しい生活ぶりがうかがえました。 このように上手く二世帯同居をされているA様に、先輩として二世帯住宅の暮らしについてアドバイスを頂きました。 つづきは次ページへ! 更新日:2005年03月28日12次のページへ