文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド) 外構次第で住まいのイメージは大きく変わるもの。納得のいく仕上がりにしたいものですね。 外構(エクステリア)とは、住まいのイメージを左右する大事な要素です。しかし、計画時点ではついつい建物ばかりに気がいってしまい、外構は後から、と言うケースも起こりがちです。その結果「もう少しゆとりがあれば、自転車の出し入れが楽だったのに」とか「外構まで予算がまわらないわ」ということも。そんな失敗をしないために、今回は外構計画の進め方についてお話させて頂きます。 敷地計画と建物プランは同時にスタート! 建物と平行してに、カーポート・アプローチ・庭・設備スペース・通路など、防犯も含め、細かく検討するのがベストです! 「外構計画はどのタイミングで始めればいいの?」と疑問を持つ方も多いかと思いますが、ずばり!『建物の計画と同時にスタートする』のがベストです。実際に、建物の平面プランを検討しだすとそちらに気が向きがちです。しかし、敷地の使い方と建物の規模や形は密接な関係にあるものです。だからこそ、右図のように平行して計画を行うのが良い進め方なのです。それでは、計画の際に注意するポイントを整理してみましたのでご覧下さい。 ■その1:スペース配分 まずは、必要となるスペースを敷地上で配置していきましょう。 まずは、平面上での位置関係・スペース配分など、敷地をどのように使うかのゾーニングからスタートします。チェックしていきたい項目は... 車庫や玄関とアプローチ(門扉など)の位置関係 庭、バックヤードと建物の取り合い エアコンや給湯器の室外機などのスペース確保 自転車置き場と出し入れの動線確認 などがあげれます。例えば、駐車スペース。雨の日や荷物の多い時、また高齢者が降車する時など、ドアを開きっぱなしにできる程度の広さの余裕があれば、ぐっと快適になるはずです。しかし、給湯器・エアコンの室外機・自転車置き場などを考慮しないまま、家全体の設計を進めてしまうと、室外機を駐車場の真横に置くことになったり、ドアの開閉に使うはずのスペースに自転車を置かなければならなくなったりするのです。そして「駐車スペースがあと10cm広ければ...」と後悔することに。このようなことは、最初からスペース配分をしっかり計画していれば、避けられることです。外回りを快適に使うためにも、事前のスペース配分は大切なのです。 ■その2:高低差を確認 次に注意したいのが、意外と見落としがちな高低差。道路と敷地の高低差だけでなく、道路から敷地、そして建物の入り口まで、トータルの高低差をしっかり確認した上で、必要なアプローチの長さを確保しましょう。高低差を正確に把握せず、短い距離で計画してしまうと、スロープを急勾配にしなくてはならなかったり、階段の段差が高くなってしまい、使いにくくなってしまいます。設計段階で、配置図に高低の寸法が書き込まれていなければ、要注意。設計担当者にしっかり確認してもらいましょう。 ■その3:予算配分 外構と建物の適切な予算配分ができるのも、計画を平行ですすめる効果のひとつです。住まい全体のグレード感をアップしやすいのが外構と言われますが、逆に少しでもケチると、とたんにチープな感じになってしまうとも言えます。外構は、面積が少なく制約も多くなりがち。しかし、その分少しの予算でも効果的に見栄えを良くすることができるのです。高級感のある外構は、家全体をグレードアップしてくれます。建物とのバランスをしっかり見極め、より適した外構に仕上げたいものですね。 以上が基本的な外構計画の注意点です。次ページでは、二世帯住宅に関する注意点をみていきましょう。 更新日:2007年03月05日12次のページへ