栄養管理/頭の働きをよくしたい人の栄養管理

イチョウの葉・本当に記憶力がアップする?

記憶力の低下を感じ、サプリメントを摂取してみようかな~なんて考えている人はいませんか?記憶力に関連するサプリメントで人気のあるイチョウの葉を検証してみましょう。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

最近記憶力の低下が心配だな…。記憶力を改善するサプリメントがあるって聞いたけどホントかな。

サプリメント:イチョウの葉

イチョウの葉はサプリメントとして人気があります。記憶力や認知症などの改善をアピールしているものが多く、特に、加齢につれて頭の働きが気になってくると、ついつい試したくなる人も多いと思います。サプリメントの使用がよい結果をもたらす場合もありますが、本当の効果や副作用などを理解していないと、効果が無いどころか、深刻な副作用を起こしてしまうこともあります。セカンドライフ世代では、薬の服用をする人も増えてくるので、特に注意が必要です。イチョウの葉は、ギンコビローバ、ギンコウなどと呼ばれることもあります。

一般的に信じられている効果

集中力の改善、記憶力の改善、脳や手足の血行改善

現在分かっている効果

加齢による物忘れや認知力、認知症、糖尿病性網膜症、緑内障、月経前症候群(PMS)、めまいに効果があると示唆されています。必ず効果があるという訳ではありません。

安全性は大丈夫?

・品質管理がしっかりした銀杏の葉の使用は安全である可能性が高いと言われていますが、鉛などの有害物質を含んでいる場合もあるとされています。

・妊娠中の使用は早産や出血が長引く可能性があるので注意が必要です。妊娠を試みている人は卵母細胞の生殖力を妨げることがあることが示唆されているので注意しましょう。

・生の銀杏を食べると発作を起こしたり死亡することがあります。調理されたぎんなんを1日に10個以上食べると呼吸困難、発作、失神などを起こす危険性があると報告されています。食べ物としての摂取にも注意が必要です。

副作用は?

胃腸の不調、頭痛、便秘、アレルギー反応などがあります。特に危険なのは体内での出血(くも膜下出血など)です。

薬やサプリメントとの相互作用は?

抗血小板薬・抗血液凝固薬(アスピリン、ワーファリン、ヘパリン、イブプロフェンなど)や血小板凝集に作用するハーブ(にんにく、ジンジャー、高麗人参など)と一緒に摂取すると出血する可能性が高まるので注意しましょう。そのほか、抗痙攣薬を服用している人、インスリンを使っている人も注意しましょう。

サプリメントは天然だから安全だと思っている人もいるようですが、注意が必要です。専門家に相談するなど、正しい情報を入手して安全に効果的に使いましょう!


【関連リンク】
■頭に良い食べ物!ベスト3(All About 療養食・予防食)
■うつ病はビタミンB不足が原因かも!?(All About 療養食・予防食)

参考資料:
Natural Medicines Comprehensive Database. http://www.naturaldatabase.com. Accessed September 18, 2008.
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