マーケティング/マーケティング事例

ロンドン~ローマの航空運賃が2円って本当?(2ページ目)

ロンドン~ローマ間の運賃を2円で提供する航空会社があります。「本当に2円なのか?」と調べてみると、そこには巧妙な仕掛けが……。運賃2円でも十分な利益を上げるマーケティング戦略の秘密に迫ります!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

涙ぐましいライアンエアーのコスト削減策

果たして、このような価格で販売して航空会社として利益ができるのでしょうか? 調べていくとこのライアンエアーは様々な方法でコスト削減や他の収益源の確保に取り組んでいました。

■ 機内食は有料!
まずは有料の機内食。通常、日本では飛行機に乗るとドリンクサービスなどが行われますが、ライアンエアーでは全く無料の機内食を提供していません。ですから、機内食やドリンクが欲しい場合は、別途有料でオーダーする必要があるのです。この有料機内食の代金が、ライアンエアーにとって航空運賃以外から得る収入源になっています。ちなみに余談ではありますが、この機内食の価格が高いために搭乗する前に食事や飲み物を購入して持ち込む乗客が多いそうです。

■ 主要都市からとっても遠い空港!
ライアンエアーの経費削減努力
ライアンエアーでは主要都市から離れた辺鄙な空港を利用するなど経費削減努力を行っている。
次にライアンエアーでは主要な空港を利用していません。主要な空港は多くの航空会社が利用するだけあって、使用料が非常に高くなります。どの航空会社も敬遠するような辺鄙なところにある空港を使用することによって、極力空港使用料を節約しているのです。

たとえば、フランクフルトではフランクフルト・カーン空港を使用しているのですが、この空港はフランクフルトという名前は付いていますが主要航空会社が利用するフランクフルト空港からは数百キロの所に位置し、フランクフルトまでは1時間以上の道のりを、さらにバスを利用して進まなければなりません。他の空港にしても同じような条件で、目的とする都市までは空港到着さらに移動に要する時間がたっぷりかかるような辺鄙な空港を利用して、空港使用料を削減しているのです。

■ フライトアテンダントの研修費や制服は自己負担!
面白い経費削減としては、フライトアテンダントの研修費、制服、その他全ての備品はフライトアテンダント個人が負担しなければいけないというものもあります。通常航空会社は、サービスの質を高めるために非常に高いコストを支払ってフライトアテンダントに教育を施していきますが、ライアンエアーではその教育費ばかりか、制服や備品まで自己負担にして経費削減に努めているのです。

他にも、代理店を使わないネットだけの申し込み受付やチケットレス化、機内整備の簡素化など様々な方法で経費削減に努めています。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます