マーケティング/マーケティング事例

激安自販機、缶コーヒー10円のカラクリ(4ページ目)

なんと、缶コーヒーを1本10円で販売している激安自動販売機があります。通常120円以上する缶コーヒーが、なぜ10円で売られているのか? また、10円で販売して利益は出るのか? 激安自販機のカラクリに迫ります!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

スーパーやカラオケでもイールド・マネジメント

イールド・マネジメントが航空業界で始まり、それがホテル業界でも採用された経緯をお伝えしましたが、このイールド・マネジメントはもっと私達の身近なところでも行われています。

イールド・マネジメント
もっと身近なイールド・マネジメントもある!もしかしたらあなたの会社でも使えるかも?
たとえば、スーパーなどで閉店間際にお惣菜や刺身、賞味期限切れの近い肉、野菜、牛乳などの食品に半額シールが貼られて販売される場面に遭遇したことはないでしょうか? スーパーの責任者、もしくは担当者は過去のデータや経験をもとにその日のお惣菜や刺身を準備したり、肉や野菜、牛乳などを仕入れたりします。しかし、予測通りにちょうど販売し切ることは非常に難しいと言わざるを得ません。それらの商品はその日に売り切らなければ廃棄処分になってしまいますので、売上に大きなダメージを与えることになります。

そこでお客の様子を見ながら閉店から逆算して、数時間おきに価格の変更を行っていきます。たとえば、閉店前3時間でかなりの商品が余っていればまずは10%割引、そして2時間前で更に余っていれば20%割引、1時間前でまだ余っているようであれば半額と価格を随時変更して売上の最大化を図っていくのです。このような方法は、価格を徐々に上げていく航空業界やホテル業界とは全く逆のイールド・マネジメントになります。

カラオケショップなどは顧客の利用状況に応じて、時間帯で価格設定を変えているところも多く見られます。カラオケショップは平日の昼間に利用するお客というのは非常に少ないですから、たとえば平日の昼間であれば1時間50円など破格の値段で利用できるお店もあります。

やはりカラオケボックスも、部屋が稼働してない状況では売上が1円も立ちませんから、安い価格でもお客に利用してもらい、ドリンクや食べ物などで売上を上げることにより収益を最大化していく手段を取ることが賢い選択になるのです。

他にも平日利用者の少ないゴルフ場では平日割引を行ったり、空席があれば売上機会を喪失してしまうセミナーなどでは早期割引で早めに座席を埋めていくなど、実に様々な業界、企業、そして商品やサービスでイールド・マネジメントが行われています。

もし、あなたの会社でも、ある期限で売上機会をロスするような商品やサービスを取り扱っているようであれば、ぜひともこのイールド・マネジメントを採用して売上の最大化を図ってみてはいかがでしょうか?
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