10円コーヒーのカラクリとは?
現代の消費者は賞味期限に敏感 |
缶コーヒーの賞味期限は新品であれば1年。ところが缶コーヒーを1年かけて販売するかというと、そうではありません。やはり、消費者はできる限り新鮮な商品を購入する傾向があります。そのため、需要予測を間違えれば新しいものから消費され、一部の商品はどんどん賞味期限が少なくなってきます。
たとえば、あなたもお店で食品を購入する際に賞味期限を比較して期限が長いものを購入した経験はないでしょうか? 多分、ほとんどの方が賞味期限を気にしながら買い物をしていると思います。
このように消費者は賞味期限に非常に敏感になっています。スーパーやコンビニなどの小売店では、残り5カ月以上賞味期限がない商品は仕入れないという規定を設けています。ということは、卸売の業者は賞味期限が5カ月を切った商品が在庫にあれば、不良在庫と化しまうということです。これらの商品は廃棄処分にするとやはりコストがかかります。二束三文でディスカウントショップなどに流れることになるのですが、一部が今回ご紹介したような激安自動販売機のオーナーの元へ渡るという仕組みになっているのです。
読売新聞によれば、賞味期限が3カ月しかなかった今回の缶コーヒーの仕入れ値は1本25円。この商品を賞味期限が残り20日までは50円、残り5日までは30円、そして残り2日までは10円という激安価格を設定して販売していくのです。これが激安自動販売機のカラクリというわけです。
このように販売価格を頻繁に変更して売上を最大化させる方法は何もこの激安自動販売機だけでなく、マーケティングではイールド・マネジメント、もしくはレベニュー・マネジメントと呼ばれて多くの業種、多くの企業で実践されています。