競合分析の必要性

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異業種でもターゲットが同じ場合にはライバル企業になる


ビジネスとは、限られたマーケットの中でライバル企業と顧客を奪い合う争いという一面も兼ね備えています。ビジネスは競争という意味において、ライバル企業を出し抜かなければ、素晴らしい業績を上げることも難しくなります。

そこで、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と昔から語り継がれているように、競争に勝ち残るためには、ライバル企業を徹底的に調査・分析する必要があります。ライバル企業の動向を把握して、ライバル企業を上回る形で市場のニーズに応えることによって、顧客の支持を得ることができるというわけです。

それでは今回は3C分析のうち、競合分析についてさらに詳しくお伝えしていくことにしましょう。
 

競合・ライバル企業のターゲット顧客を分析しよう

競合分析において、まずはライバル企業がどのような顧客層をターゲットにしているのかを把握するターゲット顧客分析を行いましょう。この分析で明らかになるのは、「真の競合相手が誰なのか?」ということです。一般的に、同じ業界に属する企業をライバル企業とみなす場合も多いと思いますが、たとえ同じ業界に属していてもターゲット顧客が違えば競合とならない場合もあります。一方で、同じ業界に属していなくてもターゲット顧客が同じであれば、ライバル企業とみなした方がいい場合もあります。

たとえば、初心者向けにパソコンの扱い方を教えるスクールはパソコンスクール業界に属しますが、同じパソコンスクール業界でも専門家を育成するために高度な知識を教える専門学校と比べると、ターゲットが初心者と上級者と全く異なるために真の意味で競合とは言えません。一方で、初心者向けにパソコンの知識を伝える書籍、すなわち出版業界とは業界は違えどターゲット顧客が同じになりますので、競合関係にあると言えるでしょう。
 

競合・ライバル企業の製品やサービスを分析しよう

ライバル企業を明確化し、そのターゲット顧客を把握した後は、その企業が提供する製品やサービスを以下のようなポイントを中心に分析していきます。
  • ライバル企業の製品はどのような機能を備えているのか?
  • 価格はいくらなのか?
  • どのような販売経路を利用しているのか?
  • どのようなプロモーション活動を展開しているのか?

たとえば、高価格製品を中心に販売する企業やプロモーションに力を入れている企業など、各企業のマーケティング活動にはそれぞれ特徴がありますので、その企業特有のマーケティングに注目しましょう。
 

競合・ライバル企業のリーダーシップや経営資源を分析しよう

企業の事業活動は企業のトップのリーダーシップに負うところも大きいということを考えると、競合企業のリーダーシップスタイルを分析することも重要になってきます。

たとえば、ユニクロは柳井氏の強力なリーダーシップの下、急激な成長を遂げてきましたが、いったん柳井氏が会長に収まると経済環境の悪化も影響してその成長力が鈍化してきました。その後、柳井氏自身が再び社長として登板すると、ユニクロもかつての勢いを取り戻したという事例もあります。すなわち、どんなリーダーがその企業を率いているかということを熟知することも、マーケティング上の対応策を検討する際に重要な要素になるということです。

加えて、ライバル企業のヒト・モノ・カネといった経営資源も調査・分析の対象となります。「どの程度の従業員がいるのか?」「生産設備はどの程度のものを備えているのか?」「資金力はどの程度あるのか?」などライバル企業の戦力を特定していくというわけです。

このような競合分析を行う際には、上場企業であれば有価証券報告書を利用します。有価証券報告書は当該企業のホームページから入手することができます。この有価証券報告書を読めば、その企業の売上や資産状況、子会社の内訳、生産拠点や設備に至るまで詳細な情報を得ることができます。また、報告書には業界を取り巻く環境やリスクに至るまでマクロ環境分析まで行われていますので、自社の行ったマクロ環境分析との比較も行えるメリットがあります。

上場企業でなければ、自社独自で調査を行うか、帝国データバンクなどの専門の調査機関の報告書を活用することができるでしょう。
 

競合・ライバル企業のマーケティング戦略を分析しよう

ライバル企業の、マーケティング戦略の全体の仕組みを把握することも重要です。マーケティング戦略は、数多くの施策を組み合わせて構築するために一見しただけではその全体像は見えません。マーケティングに成功している企業は、たとえば製品や価格、もしくは流通網など1つの施策で成功しているわけではありません。複数の要素を組み合わせ、1つの仕組みとして顧客を満足させるシステムを構築しているのです。

このライバル企業のマーケティング戦略は、外から見えないようになっているために、全体像を把握しようと思えば、実際にライバル企業の顧客になって調査していく必要があります。プロモーションから集客、購入、決済方法、アフターサービスに至るまで、実際に顧客としてライバル企業のマーケティングシステムを体感することにより、外部からは見えなかったマーケティング戦略の全体像が浮き彫りになることでしょう。
 

競合分析の注意点とは?

最後に競合分析を行う上での注意点についてお伝えしましょう。ターゲット顧客の分析のところでも触れましたが、競合分析は同じ業界に属する企業という括りではなく、ニーズの切り口によって業界を超えた競合分析が必要になります。

たとえば、マクドナルドはハンバーガー業界に属していますが、競合分析を行う際にはモスバーガーやロッテリアだけでは不十分ということになります。「手軽に食事をしたい」という切り口であれば、おにぎりを販売するコンビニが競合となりますし、「手頃な価格の食事をゆったりと取りたい」という切り口であればファミリーレストランが競合となります。また、「食事をしながらインターネットを利用したい」という切り口であればネットカフェが競合となるでしょう。

いずれにしろ、同業界という狭い分野での競合分析に終始するのではなく、顧客のニーズに基づいた業界を超えた競合分析を行うことにより、マーケティング戦略の成功確率が高まると言えるでしょう。

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