心が動いていないときに出てくる「御社の強みは?」
自信ありげに答えることが大事 |
なぜなら、お客さんは「いろいろ説明は受けたけど、この会社は他社と比べて、とくに際立ったところはなさそうだな」と思っているから、こういう質問をするわけです。つまり、営業マンがこれまで行ってきた説明に、ほとんど心を動かされていないから、この種の質問が口から出てくるのです。同じような種類の質問に、「結局この商品って、他社の商品とどこが違うのですか」もあります。
もしこの手の質問に明確に答えられなかったら、相手は「やっぱりこの営業マンと取引しても、メリットはないな」という判断を下します。でも逆に鋭い切り返しができれば、相手の印象をがらりと変えることも可能になります。だから正念場なのです。
自社の強みを語るときの3つのポイント
「御社の強みは何ですか」もし、お客さんから聞かれたら、私はこう切り返します。
お客さん「ところで、結局御社の強みって何ですか?」
西野「当社の強みは大きく3つあります。1つめは研究開発体制の充実。2つめはベンチャー企業への納入実績。3つめは、きめ細かいアフターフォローです。まず研究開発体制ですが、当社は国内に3か所の研究施設があり、500人以上のスタッフが研究に従事しています。これは業界としてはトップクラスの規模を誇り、当社が多くの会社様から『技術力のA社』と評価をいただいている一番の理由はここにあります。 次にベンチャー企業への納入実績ですが……」
この切り返しトークのポイントは、大きく3つあります。
1.自社の強みを3つ挙げる
「当社の強みは大きく3つあります」と予告をした上で、強みを3つ挙げます。こういう言い方ができる人って、頭の中がシャープに整理されている理知的な人に見えます。また相手に対しても丁寧です。
自社の強みが1つだと「それだけ?」とお客さんからは思われます。かといって、強みを5つも6つも出すと、お客さんは覚えることができませんし、ポイントが絞れていない印象を与えます。だから「強みは3つ挙げるのが理想」と考えたほうがよいのです。
2.具体的な数値を挙げる
「500人以上のスタッフが研究に従事」といった具体的な数値を挙げると、信頼性が高まります。また「業界ではトップクラスの規模」とか「技術力のA社という評価をいただいている」といった権威付けも有効です。
3.最後にもう一度要約をする
一通り説明が終わったら、もう一度ポイントをサマリー(要約)します。人は自分の話を意外と聞いてくれていないもの。そこで念押しをすることで、自社の強みをお客さんにしっかりとインプットするのです。