ヒアリング力は受注金額を左右する
おしゃべり好きなお客さんには会話の軌道修正を、無口なお客さんには話しやすい雰囲気作りを |
ヒアリングでは、営業マンは聞き役に回り、お客さんにできるだけ多く話してもらうことが大切ですが、「とにかく話してもらえれば何でもOK」というわけではありません。
お客さんの中にはおしゃべりが好きで、ビジネスにつながらない話を延々とする人がいます。こんなとき営業マンは、こちらが聞きたい話題へと質問を振りながら、会話の軌道修正を図っていくことが求められます。
おしゃべり好きなお客さんは、競合他社の営業マンに対しても同じようにいろんな情報を話していることが考えられます。営業マンとしては、さらに一歩突っ込んで質問することで、ライバルの営業マンが掴んでいない情報を聞き出すことがカギとなります。
逆に無口なお客さんについては、相手が「話しやすい」と感じる雰囲気を作ったり、 質問をしていくことが重要となります。
つまりヒアリングは、単に「お客さんが話すのを黙って聞いていればいい」というようなものではなく、お客さんから「商談を進めるうえで必要な情報を聞き出していく」ためのテクニックが求められるのです。
営業マンの7割は相づちができていない
「相手が自分の話を一生懸命聞いてくれたので、ついうれしくなってどんどん話してしまった」。こんな経験は誰しもあるでしょう。営業マンも、ヒアリングの場面でお客さんに気持ちよく話してもらおうと思ったら、「私はあなたの話を興味津々で聞いていますよ」という態度をはっきりと示すことがポイントとなります。そのときの意思表示の方法として最も相手に伝わりやすいのが、相づちをしっかりと打つことです。
私はこれまで、いろいろな営業マンのヒアリングの場面に同行して指導を行ってきましたが、ずばり営業マンのうちの7割は効果的な相づちが打てていません。本人は相づちをしているつもりなのでしょうが、しぐさが控えめだったり、うなずくときの表情が乏しかったりして、せっかくの相づちの効果が出ていないのです。