プレゼンテーション/プレゼンテーションの基本

伝わるプレゼンの順番・順序・基本構成!フォーマットのメリットは?

プレゼンをつくるときは、順番や順序、基本構成を工夫しましょう。スライドの順番や基本フォーマットを工夫することで、伝わりやすさがぐんっとアップ! メリットもあります。今回は、伝わるプレゼンの作成方法を図解でわかりやすく解説していきます。

野村 尚義

執筆者:野村 尚義

プレゼンテーション・企画力ガイド

プレゼンの順番・順序・基本構成

プレゼンテーションでは、何をどういう順番で話せばよいのでしょうか?

プレゼンテーションでは、何をどういう順番で話せばよいのでしょうか?

  フォーマルプレゼンテーションを行う際に、何をどういう順番で話せば良いのでしょうか? 実はこうした順番、つまりプレゼンテーションの構成についてはかなりの部分がフォーマット化されています。そして、そのフォーマット通りに話の順番を組み立てていけば、わかりやすいプレゼンテーションは半自動的に完成してしまうのです。

フォーマットを知らない人は、色々と悩んだ挙句、わかりにくい順番で話をしてしまう。これほど非効率なことはありません。このような無駄な労力を使わないためにも、プレゼンテーションのフォーマットについての知識を学んでおきましょう。
   

プレゼンでフォーマットを使うメリットとは?

プレゼンテーションの構成フォーマットの詳細を話す前に、フォーマットを使うメリットについて、もう少し詳しくお話ししましょう。フォーマットに沿って組み立てることによって、どのような利点があるのでしょうか? 私は大きく2つあると考えています。
 
  • 悩まないで、短時間にプレゼンテーションが組み立てられる
  • わかりやすいプレゼンテーションが簡単にできる
たとえて表現すると、プレゼンテーションのフォーマットとは、囲碁における定石のようなもの。ないしは料理のレシピのようなもの。それに沿って進めることが、最短で最善の結果を出す方法なのです。

こう言うと「囲碁でも定石どおりだけでは勝てないし、料理でもレシピからあえて外すことでオリジナリティが出るじゃないか」と思う方もいるでしょう。確かにそういう側面もあります。しかし一方で「守破離」という言葉があるように、最初は形を守ることがとても大事なのです。形をあえて外すのは、その先の上級テクニックです。

歌舞伎役者の中村勘三郎さんが、とても面白いことをおっしゃっていました。「型がある人が型を破るから“型破り”。型のない人が型破りなことをやるのは“型なし”」。非常に深い意味を感じませんか? だからこそ、まずはフォーマットをしっかり学び、それをマスターしましょう。
 

プレゼンの基本フォーマットとは?

では、いよいよプレゼンテーションの構成フォーマットについてお話していきましょう。私が「サンドイッチフォーマット」という名で呼んでいるものを紹介します。

サンドイッチフォーマットとは、簡単に説明すると三部構成のフォーマットです。イントロ・ボディ・エンディングの三部構成で、下図にあるような流れになっています。それぞれの中身を詳しく見ていきましょう。
 
サンドイッチフォーマット
 

プレゼンの順番:聞き手の興味を掴む「イントロダクション(導入)」

イントロは、話し手としての主張を述べるまでの前段階。「つかみ」と「全体像」から構成されます。

つかみとは、聞き手の興味関心をつかむための軽いトーク。たとえば、テーマに関連する最近のエピソードや関連データなど、聞き手がつい身を乗り出したくなるものを示します。それにより、そこから展開するボディ(本論)にスムーズに移行していくことができます。

全体像とは、言葉のとおりプレゼンテーションの全体マップを示すこと。明確にテーマ(主題)を示し、必要であれば、プレゼンテーションの手順を示します。

イントロの時間は、プレゼンテーション全体の10%程度を目安にするといいでしょう。
 

プレゼンの順番:主張をしっかり伝える「ボディ(本論)」

ボディは、話し手として聞き手に伝えたいことの全容を指します。「メインメッセージ」と、それを支える「サブメッセージ」からなります。

メインメッセージとは、このプレゼンテーションを通じて伝えたい主張そのもの。ボディの冒頭で、自分の主張をはっきりと打ち出す。イントロでテーマ、つまり「どういう領域について話すのか?」を述べたので、それを追ってすぐに、その領域について話し手としてどういう意見を持っているのかを伝えます。

サブメッセージとは、メインメッセージを補完するためのメッセージのこと。たとえば、話し手がメインメッセージにある主張を示す「理由」であったり、主張を実現するための「具体的ステップ」であったりします。

このサブメッセージは、いくつか複数のポイントとして展開されるのが通常パターン。たとえば「私がこのように主張する理由を3つのポイントで述べたいと思います」といった具合に。ポイントの数は2つでも4つでも悪くはないのですが、おすすめは3つにまとめることです。

マジックナンバースリーと呼ばれる概念があります。それは、人は3つのポイントで説明されたときに非常に安心感を覚えやすいのです。ポイントが1つや2つでは物足りない。4つ以上だとそもそも多すぎて覚えにくいらしい。3つが最も良いということはあまり論理的根拠がないのですが、私としては腑に落ちる感覚はあります。
 

プレゼンの順番:重要ポイントを繰り返す「エンディング(終幕)」

エンディングは、ボディ(本論)を受けてプレゼンテーションを完結させる段階。「重要ポイントの繰り返し」がエンディングの主な役割です。

プレゼンテーションとして伝えたい内容は、一通りボディで聞き手に伝えています。にも関わらずエンディングが必要なのはなぜか? 聞き手が聞いたことをすぐに忘れていくからです。だから重要なポイントはエンディングで繰り返してあげる。繰り返すことによって、聞き手にすれば「あぁ、そうだった」と思い出すだけでなく、「繰り返すということは、このポイントは重要なのだ」とその重要性を強く認識することができるのです。
 

まずは、フォーマットの順番通りに構成を組もう!

心掛けてほしいのは、まずはオリジナリティを求めずに、愚直にこのフォーマットの通りにプレゼンテーションを構成するということです。先人達が築いてきた「型」であるサンドイッチフォーマットを活用することにより、あなたは悩むことなく、聞き手に伝わりやすいプレゼンテーションを組み立てることができるのですから。

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