コーチング/信頼関係作り

部下との信頼関係を築く3つのポイント

部下との信頼関係はどのようにして築けば良いのでしょうか? チームメンバーのパフォーマンスを上げるには、信頼関係を築くことが大切。そのために、メンバーの何に注目し、どのように関わればいいかのヒントをご紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

部下との信頼関係を構築するための3つのポイント

部下との信頼関係を築く3つのポイント

信頼関係の構築はチームの成功を左右する

「私はチームにとって大事な存在である」ということを実感できると、メンバーは力を発揮します。コーチ型マネジャーは、部下の能力を発揮させながらリーダーとしてチームを牽引することも求められます。部下との関係がうまくいっているリーダーはそのことを理解し、信頼感を示しています。

これを日々の多忙な職場で実践するとなると、なかなか難しいものがあります。しかし、この厳しい状況の中で成果を上げ続けていくためには、意識的に信頼関係を築く必要があります。 そこで、チームにおけるメンバーとの信頼関係の築き方について、
  • 相手への気遣い
  • 誠実な態度
  • 公平性
の3つのポイントでご紹介します。
 
<目次>
 

ポイント1.相手への気遣いを見せる

部下やメンバーへの気遣いは、毎日の観察から始まる

部下やメンバーへの気遣いは、毎日の観察から始まる

チームを成功に導いている人は、チームメンバーへの気遣いを現しています。特に人材が不足し、実力以上のことを発揮することが求められる今、気遣いを意識することは大切です。

メンバーへの気遣いを表す方法としては、以下のことがあげられます。
 
  1. メンバーが大切にしていることを把握し、定期的に尋ねる
    家族や趣味など、メンバーが大切にしていることは何かについて日常の会話の中で聞きます。それはメンバーに対してあなたが関心を持っていることを伝える手段であるのと同時に、それを通じてメンバーの価値観や関心ごとについて知ることができます。メンバーは仕事の生産性だけでなく、人として関心を持ってもらっていることを実感し、あなたに信頼を寄せるようになります。
  2. 毎朝、メンバーの状態を確認する
    今朝の調子はどうか? その日のスケジュールは? 報告事項はないか?など、一人に3分ほどの時間を投資しましょう。信頼関係が築かれるだけでなく、情報交換も効果的に行うことができます。
  3. メンバーに対して、頻繁にフィードバックする
    メンバーは、自分がやっていることが知られているかどうかを気にしています。日ごろ見ていて気づいたことは、すぐに伝えましょう。メンバーの仕事ぶりを把握し、それを伝えることに意味があります。特にポジティブなフィードバックを伝えることです。
 

ポイント2.誠実な態度を示す

誠実さは言葉と態度にして表す

誠実さは言葉と態度にして表す

メンバーに対してどれくらい誠実な態度を示しているかは、メンバー本人のみならず、周りの人も見ています。カルロス・ゴーン(ルノー会長兼CEO、日産自動車CEO)は、次のように語っています。「誠実さを見せることは、その人の良心と価値に関わることであり、次に習慣と行為に関わることである。それらはともに必要な要素である」と語っています。誠実性は、以下の3つの領域で示すことができます。
 
  1. 率直に話す
    メンバーと率直に話すことは、リーダーに必要なスキルです。率直さとは「わからないことを、わからないという」「できないことを、できないという」ことです。嘘を言ってもいずれ発覚します。それはメンバーとの信頼関係を失うことにつながります。
  2. 約束を守る
    チームとの関わりを築いているリーダーは、具体的な約束を交わし、それを実行しています。反対に、できない約束はしません。一度約束したことは守る義務がリーダーにあります。ほんの少しでも約束を果たせなければ、メンバーとの信頼は大きく損なわれます。
  3. モデルとなる
    信頼を築いているリーダーは、チームにおける自分の仕事に全力を尽くし、一緒に関わるメンバーに同じことを求めます。自分が行っていることは、メンバーにとってのモデルとなっていることを自覚することが大事です。
     

ポイント3.公平である

メンバーとのコミュニケーションは公平であることが大事

メンバーとのコミュニケーションは公平であることが大事

信頼関係を築く上で大事なのは、いかにチームへの帰属意識を持たせるかということです。リーダーがメンバーを公平に扱っていなかったり、リーダーの好みで特定の人を優遇すると、チーム内の人間関係は崩れ、帰属意識が薄れます。
 
  1. メンバーを自分と対等に扱う
    リーダーの能力は当然高いものですが、それと同じくらい、メンバーにも能力があるはずです。一人ひとりがどのような力を持っているかに目を向け、どんな貢献をしているかを把握し、それを認めることです。
  2. 特定の人を特別扱いしない
    特別扱いが生じた瞬間、チームの信頼は損なわれます。承認するときは、「君はすごいね」「誰よりも才能があるね」などその人個人に対してではなく「業績を2倍に上げたね」「新商品の売り上げが上がっているね」とその人が行った業績に対してすることが大事です。メンバーが失敗したときも公平に認め、成長を促すためのフィードバックをすることです。
  3. 情報は公平に共有する
    やむえない理由がない限り、一部の人だけに情報を共有するのではなく、チーム全員ですること。情報を公平に共有すると、メンバーは自分がチームの一員であることの意識を持つようになります。

信頼関係の構築は、コミュニケーションのすべてに関係します。言葉の使い方や伝達の仕方ひとつで、信頼関係が深まったり損ねたりするきっかけとなります。リーダーとなる人は、チームのパフォーマンスを上げ、チームメンバーとの信頼関係を恒常的に築くことの重要性を意識し、使う言葉、態度、あり方に注意することです。

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