LLCを作ってのメリット・デメリットは?
「良かった点は、法人化による社会的信用の向上と有限責任化、そして仲間との結束感です。年々多角的な視野と高い専門性が求められるWeb制作業界で、フリーランスを続けていく事に不安とプレッシャーの日々だったのですが、頼もしい仲間と作れたLLCという「小さい船」で荒波に立ち向かえるようになった事が非常に大きいですね。デメリットは、まだ日本のLLCではパススルー課税が認められてない、これに限ります。LLCかLLPを検討中の方々にとって、おそらく悩まれるポイントの一つではないでしょうか。
僕の個人的な意見としては、“フリー≠フリーランス”でなく“フリー=フリーター”と勘違いする親戚関係から冷たい目で見られなくなった事が、一番大きいかもしれません(笑)。」
楽しいと思える物を
とことん楽しんで物づくりしていきたい
「今後、次のようなことを目標に、展開していきたいと考えています。・あれば便利を形に
・楽しいと思える物をとことん楽しんで物づくりしていく
・クライアント側、ユーザー側、制作側の三者が幸せになるサイト作り 等
便利だと感じるツール、楽しいと思えるコンテンツやWebサービスをユーザーの目線で立ち上げていく事を意味しています。具体的な所で言えば、自分達が面白いと思えるWebサービスを立ち上げること、また受託制作において、より高いクオリティの追求とクライアントを含めた関係者全員がやりがいを持って望める体制作りを目指していきます。
今までフリーランス時代に培った人脈を大事にし、サイト上で良い物づくりを展開していければ、それが自然に営業に結びついていくと思っています。」
<取材協力>
デジタルハリウッド
取材後記
Web業界は、技術革新と高度化のスピードが他の業界の比ではありません。そうしたことから、フリーでWeb制作業務にたずさわっていくことの難しさを非常に感じていました。では、企業に所属すれば、そうした不安や悩みが解消されるかというと、そうもいかない部分があります。そこで、個を生かし、スキルを伸ばしつつ、ブレーンを持ち、チームの総和で仕事へチャレンジしていくことは、非常に理想的な環境であると思います。しかし、そこでの困難は、フラットな関係における、パートナーシップです。実際には、コレがなかなか難しい。(責任がエスカレーションしていくタテ組織は、それなりに優れた機能となります。)
時代の流れから、ようやく日本へ導入された新組織形態のLLCやLLPは、プロが持ち得る高いコミュニケーション能力である「パートナーシップ」が、メンバーに問われていくのではないかと思います。今回取材協力いただいた合同会社CGFMの設立には、3年間のコラボレーションという時間があったことを忘れてはいけません。“フリーランスの真の連携は、一日にして成らず”ということになります。
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