デジタル・フリーランスと言えば、その筆頭がWebクリエイターです。しかし、このWeb業界、ビジネスとしての成り立ちは、まだ10年程にしか過ぎません。その黎明期には、デジタルデバイドを優位に、(クライアントも手探り状態だったため)ホームページを作るだけで仕事が成り立った時期もありました。

しかし、今やWebサイトは、重要な企業の戦略ツールの1つです。デザインが云々というレベルを超え、いかに活用し、どうビジネスを成功させることができるか。そこの部分へのソリューションが、Webクリエイターへ求められています。

その一方で、安い料金で納期に追われながら、言われた仕事をこなすしかない、という請負の制作現場もあります。独立後、そうした現実をどう打開していくか、さらに、どう自分のポジションやスキルを上げていくか。

 Webクリエイター育成ワークショップ第1弾 フリーランスクリエイターの仕事の請け方・増やし方
ワークショップは少人数制。いつもキャンセル待ちの人気です。
そこへ繋がっていくワークショップ、「Webクリエイター育成ワークショップ第1弾 フリーランスクリエイターの仕事の請け方・増やし方」が、4月1日(土)デジタルハリウッド本校を会場に開催されました。講師は、Webプロデューサーの田口真行さんです。

田口さん曰く、“このワークショップは、自分がフリーで仕事をスタートする時に、こんなワークショップがあったら受けておきたかった…、と思う内容をまとめたものです。ネット検索しても出てこない情報、仕事の中でも一番泥臭い部分を取り上げていきます。”

仕事をどう取るか、クライアントとどう金額交渉するか。こうした、仕事で一番必要となる現場のノウハウは、なかなか学べる機会がありません。そこで、ワークショップを取材させていただき、受講レポート編と田口さんへのインタビュー編と、2回の連載でご紹介します。

<INDEX>
自分で考え、意見交換しながら進むワークショップ
仕事を生み出す「見積り」の立て方とは?
事業者として、自分のルールを決めよう!
仕事を増やすには、「依頼型」から「提案型」へ変える
ワークショップは、フリーの交流の場に!
田口さんへインタビュー!

プロフィール

Webプロデューサー田口真行さん
田口真行(たぐちまさゆき)
Webプロデューサー・ディレクター。
音楽を仕事にしようと音響専門学校へ入学。95年に音楽と映像を組み合わせた作品を目指してコンピューターグラフィックスを導入。97年、アルバイト先でWebデザインを経験、独学する。99年にフリーランス・クリエイターとして独立。同年、クリエイターの作品をダウンロード販売するオンラインショップ「mp3d/L」を開設。世界初となるネットアイドルのMP3音楽デビューとオンライン販売を実現(マスコミの取材を多数受ける)。CDジャケットやパッケージデザインやTV番組のプロデュースを手がけるかたわら、全国各地のデザイナーやプログラマーを連携して、大規模な企業Webサイト構築や運用業務を行う。
オリジナリティ溢れるWebディレクションは話題となり、開催するセミナーや講座は、キャンセル待ちになる程の人気。経済産業省主催の「Webプロデューサー育成講座」の特別講師も務める。
現在は、様々な企業・店舗のWebプロデュースやコンサルテーションを行う。


自分で考え、意見交換しながら進むワークショップ

今回のワークショップでは、仕事の流れに沿って、次のようなカリキュラムで進行しました。

■カリキュラム
1.最初のオリエンでやるべきこと
 ・自分のできる事、できない事を明確にする
 ・クライアントの目線を持った上で、相手の費用対効果を考える
2.仕事を生み出す「見積り」の立て方
 ・相場観を知る方法
 ・正しい見積りを立てるための予算の聞き出し方
3.事業者としてのルールを決めよう!
 ・自分の商品・単価、納期を決める。(何をいくらで、どの位の期間でできるか)
 ・ワークフローを決める。(利益を上げるための手順)
4.どうやって仕事を増やしていくか!
・営業をしないで仕事を増やす方法
・依頼型と提案型
・作業量を減らして利益を上げる方法

いずれも、先ず自分で考え、次に参加者同士で意見交換。興味深かったのは、制作金額の相場観について、人それぞれで、金額にかなりの開きがあったことです。仕事の依頼を受けて、一番悩むことが、この制作金額の交渉と値決めです。

予算を聞いて、安いと思いつつも、クライアントの言いなりで請けるか。料金設定して、自分の値段を強気に伝えるか。相場はどうなのよ? みんなはどうしているのよ? と思う部分です。

ここについて、田口さんは、非常にユニークな見積書の作成方法をとっていました。仕事を生み出す「見積り」の立て方とは? 次ページへ続きます>>