フリーランスの独立マニュアル |
【 独立準備1:自分を知る 】 |
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【 独立準備1:自分を知る 】
【1】キャリアの棚卸で発見できるもの
【2】自分に合ったワークスタイルとは
【3】3年後の自分の姿、見えますか?
【4】個人でやるか、会社を作るか?
【5】得意先は独立前に確保しておこう
【6】取引先を、どう開拓していくか?
前号のコラムで、“独立する前に得意先は確保しておこう!”とお話をしました。しかし、「個人事業主(サービス業)の独立開業に関する実態調査2004」によると、実際には約6割の方は、独立後に営業活動を行って取引先を新規開拓しています。
それでは、どんな企業とどのように取引をしていくのが自分にとって最適か、合わせて考えておきましょう。
どのような会社と取引をするか
新規取引先を開拓する場合、営業先となる会社を、広告業界を例にとってみます。
■営業先:広告業界の場合
・クライアントとなり得る一般企業
・広告代理店
・制作プロダクション
・印刷会社の制作部門
・クリエイターエージェンシー、人材派遣会社 等
自分の専門性や、得意な業界(業界知識、経験)がある場合、企業と直接契約をして外部スタッフ、業務のアウトソーシング先として仕事を行うのも1つの方法です。クライアント企業と直接取引ができれば、間に介在するところが無い分、一番ストレスがないように思います。実績を積み重ね、信頼関係を築きあげていけば、安定した取引が期待できます。しかし、その場合には、業務をこなすほかに、取引条件や金額の交渉、営業フォローも自分で行わなければなりません。時には、トラブルの責任問題をめぐって、交渉するような場面も出てきたりします。
広告代理店や制作会社を何社か得意先として確保できれば、そこから継続的に仕事を受注していける可能性もあります。ただし、仕事量が増えて、自分が元請けとなり、スタッフを使って仕事を行う場合は、外注スタッフや仕事仲間に対しての金銭的なリスクをも、自分が全て追うことになります。その場合は、業務に対する責任だけでなく、当然、支払いの資金繰りや運転資金(売上の入金前に支払がある場合に要する立替え金)も必要となってきます。
また、最近は、クリエイティブ職や専門職に特化したエージェントや人材派遣会社が増えています。営業が苦手な場合、業務に集中したい場合には、そういった企業へ登録して、派遣社員あるいは、プロジェクト単位の契約スタッフとして、仕事を行うという方法もあります。
※契約スタッフ:一定の期間を設定して業務にあたり、報酬を受ける業務形態。プロジェクト契約、年間契約等。派遣会社やエージェント会社が受注した案件を、登録しているフリーランスへ業務委託するケース。
派遣会社のメリットには、福利厚生や社会保険の充実があります。デメリットは、収入は確保できますが、複数の会社と平行して取引ができなくなり、自由度は下がります。どこと取引するかによって、それぞれに一長一短があります。どのような取引関係が、自分にとってメリットになるかを見極めておくことが重要です。
以上を検討したら、現在確保している得意先、知人・友人から紹介してもらえそうな企業、それに加えて、営業アプローチしてみたい企業をピックアップして、営業先リストを作成してみましょう。
下請ではなく、パートナーシップで仕事をしよう!
頼られる存在になりましょう! |
そのためには、“何でもやります”“頼まれた仕事は、何でもこなします”という営業スタンスはNGです。この分野は、この仕事は、という自分の“売り”を明確にして、それを売込んで仕事を作っていくことが大切です。
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