■マンションの給水方式
続いて、集合住宅における給水方式について説明します。集合住宅では建物の規模・設置環境・立地環境などにより給水方式が異なります。
○水道直結方式
水道本管から給水管を直接分岐して建物内に引き込み、直接各住戸に給水する方式。2階建て程度の住宅に利用され、マンションでは不向き。
○高置水槽方式
水道本管からの水を受水槽に貯水したあと、揚水ポンプでマンション屋上に設置された高置水槽に送り、その後は重力を利用して各住戸へ給水する方式。屋上にタンクが出っ張っているマンションがこれで、日本では最もポピュラー。
断水しても水槽内に水が残っていれば、しばらくは給水が可能となる。高層マンションでは利用しない。また、階数によって水圧に違いが生じることもある。
○圧力タンク方式
水道本管からの水を受水槽に貯水したあと、圧力タンクから加圧ポンプを利用して直接各住戸へ給水する。
高置水槽が不要なので外観を損ねる心配がない。小規模マンションで採用されているケースが多い。停電時にはポンプが作動せず給水不可。
○ポンプ直送方式
基本的な仕組みは圧力タンク方式と同じであるが、ポンプ直送方式は圧力タンクを設置せず、受水槽の水を加圧ポンプで直接給水し各住戸へ配水する。
給水量の変化を圧力検知器で検地しており、階数による水圧ムラが起こりにくい。
新しいマンションでは多く採用されている。
○増圧直結給水方式
水道本管から分岐してきた水を直接、増圧給水設備(ポンプ)から各住戸へ給水する方式。受水槽や高置水槽が不要なので、省スペースや設備コストの削減が可能。