管理組合の仕組みを一緒に勉強しよう
シリーズ第一回目は「マンション管理って何なの?」と題し、「管理が行き届いている」とは「居住者全員が気持ちよく生活できること」であることをご説明しました。そして、管理の「質」によって、マンションの資産価値は大きく変わることがご理解いただけたことと思います。改めて、マンション管理の重要性を認識してもらえることを期待しておりますが、続いて、シリーズ第二回目は「管理組合の仕組みを知ろう」と題し、管理組合の全体構成を把握すると同時に、総会や理事会とは一体何なのか? 基礎知識をかみ砕いてお伝えしてまいります。

管理組合に加入しないことは認められない


まずは、管理組合についてです。管理組合とは「区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(区分所有法第3条)」のことで、マンションで生活する誰も(ただし、賃借人は除きます)が構成員となる組織を指します。区分所有者による、区分所有者のための団体と言ってもいいでしょう。

しかし、管理組合という団体は、商取引の上ではその性格があいまいな所があり、たとえば管理組合名義で銀行口座を開設することはできず、また、NTTの電話回線(加入権)を契約することもできません。「組合」という名称こそ付いているものの、対外的には“つかみ所”のない存在なのです。そのため、銀行口座を開設するには『○○マンション 理事長△△』というように、マンション管理者の個人名になっているのがほとんどです。

また、区分所有者は本人の意思に関係なく、管理組合には必ず加入しなければなりません。区分所有者となったと同時に“当然に”団体の構成員となり、区分所有者でなくなると同時に自動的に脱退となります。「管理費を払いたくないので、管理組合には加入しない」などという発想は一切、通用しません。区分所有者と管理組合は運命共同体とお考えください。そのため、いわゆる「賃貸マンション」=「区分所有権の対象とならない共同住宅」には管理組合は存在しません。区分所有者の住まないマンションに、管理組合はあり得ないのです。「自治会」と混同しないように注意しましょう。

理事会とは、組合運営を行うための執行機関


次に、理事会について話を進めましょう。最近は大規模なマンションも多くなりました。1000世帯を超えるような物件も珍しくないほどです。こうしたマンションで、もし、管理組合が何か決議を取ろうとした場合、民主主義の原則からすれば区分所有者全員で採決しなければなりません。しかし、全世帯にお伺いを立てるのは非効率であり、現実的ではありません。組合員の中から代表者を選び、その代表者が諸問題の解決を検討しようと考えるのが自然でしょう。

そして、こうして組合員から選ばれた管理組合の代表者のことを役員(理事ともいいます)といい、役員が事業計画に基づいて組合運営を行うための執行機関が理事会となります。管理組合を1つの会社(企業)にたとえると、理事会は取締役会と同じ位置付けになります。

<管理組合の仕組み図>


理事会には、理事長、副理事長、理事を置くこととされ、月一回程度の周期で開催し、組合員のために誠実にその職務を遂行することが求められます。「できることなら、理事にはなりたくない」と考えている人も多いと思いますが、数千万円もの大金をはたいて手に入れたマンション。誰もが、気持ちよく快適な生活を送りたいと願っているはずです。であれば、なおさら“他人任せ”にはせず、自分のこととして積極的に組合活動に参加しましょう。「好き嫌い」や「損得」で割り切れるものでは決してありません。

最高意思決定機関が総会の位置付け


そして最後、居住者の民意を反映させる機能を持つ総会についてご説明します。よく耳にする言葉だとは思いますが、総会がどのような機関なのか正確に理解している人はあまりいないように感じます。毎年6月頃に開催し、組合員みんなを集め、多数決(議決権)で色々な取り決めの賛否を問う行事といった感覚ではないでしょうか。

そもそも総会とは「管理組合の最高意思決定機関」と呼ばれ、全員参加による多数決を基本とする組織です。少なくとも年1回は開催することが義務付けられており、懸案事項の決議と同時に組合運営の収支決算及び予算の報告、事業計画ならびに役員の選出などが主な業務となります。別名「マンション法」とも呼ばれる区分所有法が集会(=総会)中心主義を採用していることもあり、召集方法や案内通知の出し方、さらには決議の取り方にいたるまで、総会運営について幅広く法律でルール化されているのが特徴です。総会には「物ごとを決める集まりとしての重みがある」からと理解すると分かりやすいかも知れません。

その他、管理組合の業務監査および会計監査を行う監事というポストがあります。管理組合の業務の執行ならびに財産の状況を監督し検査する重要な役割です。表立って目立った存在ではありませんが、理事長と比肩する(同レベル)ほどの任務を負った役職となります。


以上、管理組合の全体構成をお話してきましたが、頭の中の理解にとどめず、是非とも実践に移してください。組合員が積極的に参加することで、理事会・総会・管理組合が互いに有機的な働きをするのです。



【シリーズ】マンション管理の基礎講座
#1 マンション管理って何なの?
#2 管理組合の仕組みを知ろう(本コラム)
#3 管理会社との上手な付き合い方
#4 管理規約って何?その重要性を知る

【シリーズ】管理組合のマネープラン
1.マンション管理運営に影を落とす財政問題
2.企業の「思惑」で決まる修繕積立金の“裏”事情
3.「無知・無関心」による管理費の“不正”流用
4.修繕計画を自社の「売上表」と見る管理会社
5.管理組合と管理会社の「格差」を埋めろ!!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。