家族の風景

専用庭の芝管理はだれの責任?

マンションにお住まいの区分所有者の方の悩みにマンション管理士がお答えする「マンション住まいのお悩み相談室」。今回は、専用庭付きの部屋にお住いのゆかりさんからの相談です。※「マンション住まいのお悩み相談室」に相談したい方は、こちらのリンクからご応募ください。(相談は無料です)

■相談者
ゆかりさん
女性/40代/神奈川県
既婚/子どもあり

■相談内容
「専用庭付きのマンションの1階に住んでいます。庭の芝が伸びてきて見栄えが良くないので芝刈りしたいのですが、自分でするものでしょうか。たしか専用庭は共用部だったと思うので、管理組合にお願いできるならお願いしたいのですが…」

■お住まいのマンション
神奈川県/築5年/総戸数:約70戸

共用部分の中には、専用使用権が付与されている場所があります

ご承知のとおり、マンションには専有部分と共用部分があります。エントランスや廊下・階段、エレベーター、駐車場などが共用部分に該当するのは分かるでしょう。この共用部分に不具合などの異常がないかは、管理人や管理会社が巡回してチェックするのが一般的です。

一方で、専有部分と思われがちですが、実は共用部分の一部という場所も意外にあります。例を挙げると、各部屋に附属するバルコニー、窓サッシや網戸、玄関ドアの外側部分(※内側と鍵穴は専有部)、そしてご質問の専用庭です。

このような共用部分は、各部屋の区分所有者が占有できないと日常生活のうえで不都合が生じるため、区分所有者等に専用使用権が与えられています。

専用使用権には、日常管理の責任が伴います

マンションの管理規約や使用細則には、専用使用権のある共用部分の利用や管理に関するルールが記載されており、「通常の利用や管理に関する責任は専用使用権者が負う」と定められているのが一般的です。

問題は「通常の利用や管理」の範囲ですが、日常の清掃作業のほか、専用庭の場合には水やりや雑草の除去、芝生がある場合には芝刈り作業も含むものと考えられます。

専用庭にある植栽自体はもちろん専有部分ではありませんが、これらを維持するための最低限の世話は専用使用権者の負担と責任で行ってください、というわけです。

したがって、水やりや芝刈りを怠ったために植栽が枯れてしまった場合には、管理組合から原状復旧の請求がなされる可能性がありますのでご注意ください。

逆に、日照不足や土壌の問題などの不可抗力が原因で枯れてしまった場合には、管理組合に植替えなどの請求をすることができます。

なお、専用庭の利用に際しては使用料が課金されることが多いので、中には「除草や芝刈り作業は管理組合の負担で実施すべきではないか」と主張される方もいらっしゃいます。しかし、この利用料は「当該スペースを占有できる権利や効用に対する課金」であって管理のための手数料ではありません。

基本的な考え方は、以上のとおりです。なお、管理規約や使用細則の内容は管理組合によって多少異なるので、ご自身のマンションについても念のため内容を確認してみてください。


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