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指導教授と学生の人間関係が決め手 大学院の実態(3ページ目)

大学院では指導教授が重要と言われますが、それはどうしてなのでしょうか?もし相性が合わない教授の研究室に入ってしまったら、どうなるのでしょうか?大学院経験者の意見を交えながら、実状を紹介します。

西島 美保

執筆者:西島 美保

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指導教授との関係


実際修士号を取るためには、指導教授との人間関係は避けようにも絶対に避けられないものです。
実生活でも、その分野ではプロフェッショナルでも、どうしても尊敬できない人や合わない人はいますよね。大学院でも同じです。ましてや大学院での力関係は歴然。自分が尊敬出来ない人に指導されるなんて、精神的にキツイのではないでしょうか?


現在報告されている指導教授の実態では、「研究生イジメ」「研究テーマの批判」「学位不許可」などが挙げられます。特に大学院進学者にとって、学位が取れないことは致命的です。

最初にご紹介したA氏のように、教授との人間関係が悪くなってしまったために、大学院を途中で辞めざるを得ないということも現実にかなり起こっており、また、大学院中退者が直面する就職活動は、予想以上に厳しいようです。ちなみにこのA氏、1度はあきらめた脳の研究に再び返り咲くための方法を模索すべく、派遣社員を辞めて情報収集中だそうです。

教授自身も変革を!

今までのレポートを見て来た限り、教授との人間関係は大学院を無事修了するためには良いに越したことはないと言えます。しかしどうして学生は、そこまでして教授に屈しなければならないのでしょうか?

確かに学生は、教えを乞う立場です。
しかし、そのための対価として、お金を支払っているわけですから、ある意味対等とも言えるはずです。

しかしながら、長い歴史の中で築かれた教授と学生の関係は、閉鎖された学内では、まだまだ絶対であり、対等とは言えません。ある大学院生は、自分の指導教授を「王様」と表現しています。
理不尽なことがまかり通っている現実がありつつも、世間一般では、なかなか問題視されず、実状が知られる機会もありません。

こういった状況の中、社会経験豊富な社会人が大学院に進学することにより、教授と学生の関係を変えることが出来るような気がします。
今、大学の在り方について変革が進められていますが、これからの時代を生き抜くためには、単位取得制度や入学資格制度などの表面的な変革だけでなく、教授、職員、そして学生が今までの「当たり前」だった力関係を一掃し、新しい関係を築いていくべきではないでしょうか?

今回、多くの方から寄せられた意見を読み、1人1人の声がいずれ大きな力になり、大学のあり方そのものを根本から変えることも出来るのではないか、と期待を込めて、この記事を完成させました。

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