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ガイドいちおし!日本のスゴイ隠れ技術ベスト5 身近な日本の大発明・技術(下)(4ページ目)

私たちの身近な商品の中に、日本独自の技術や発明が活躍していることが多い。今回はその中で技術的アドバンテージの大きなベスト5を選定し、その素晴らしさを紹介したい。(第4位、第5位の紹介)

執筆者:木村 勝己


ついに乾電池の発明

そこで屋井が考えたのが液体を使わない電池である。寝食を忘れての発明研究の結果、ついに乾電池を発明したのである。1885年のことだ。これを連続電気時計や医療器具に使った結果が好評であったため、屋井乾電池合資会社を設立する。屋井が23歳の時であった。

当初は電解液が陽極に染み出て腐食させるため直ぐに使えなくなる問題があったが、3年間に及ぶ苦心の研究の結果、陽極の炭素棒をパラフィンで煮ることによりその問題を解決し、ついに実用的な乾電池を完成させたのである。

特許出願の必要性

1892年のシカゴ万国博覧会に出品された地震計に、この乾電池が採用され好評を博したという。しかし資金的に余裕のなかった屋井は特許出願をしていなかった為、大きな事業と世界初の乾電池の発明者の名誉も逃す結果となってしまった。しかし屋井の発明の事実は、日本人として大いに誇れるものだ!

日本ではウォークマン(商標)やデジタルカメラやゲームといったモバイル機器の開発が世界をリードしている。これには乾電池の容量アップによる貢献が大きい。マンガン乾電池から始まり、アルカリ乾電池、充電式乾電池として知られるニカド乾電池、ニッケル水素乾電池、またリチウムイオン乾電池と、大容量・大電流が必要な機器の需要と共に進歩してきた。

乾電池の技術開発は常に続いており、2004年には次世代乾電池となるオキシライド乾電池が松下電器から発売された。筒型乾電池としてはアルカリ乾電池以来40年ぶりになる新型乾電池の登場である。このように日本企業の電池への開発エネルギーは凄い。屋井の乾電池の発明はDNAとして息づいているようだ。

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