マーケティング/マーケティング事例

買物袋に変る下着!No!レジ袋ブラって?(2ページ目)

トリンプが買物袋に変身する下着“No!レジ袋ブラ”を発表しました。ブラジャーを買物袋として利用し、レジ袋を削減しようとする試みです。調べていくと今企業にとって重要なテーマを発見!そのテーマとは・・・

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

“No!レジ袋ブラ”開発の背景

300億枚ものレジ袋が年間に使用される。
全国のコンビニやスーパーなどで配られるレジ袋はなんと年間300億枚!
この“No!レジ袋ブラ”開発の背景には今年度国会で成立した改正容器包装リサイクル法があります。現状全国のコンビニやスーパーなどで利用されるレジ袋は年間300億枚に達しているものの、そのうちの約3割はゴミ袋などに再利用されることなく廃棄されています。このレジ袋の削減は改正容器包装リサイクル法の改正目標の一つであり、政府や各自治体の抱える大きな問題になっています。現在では、このレジ袋を削減するために、関係者が様々なところで努力を行っている最中なのです。

たとえば、先月東京都杉並区はスーパーのサミットと共同で来年の1月から3月の間、レジ袋を1枚5円で販売してレジ袋の削減状況を検証する実験を行うと発表しました。トリンプのNo!レジ袋ブラも、このような各自治体や企業の取り組みと同じく、レジ袋のゴミ問題をより広く社会的に認知してもらうために開発に至ったものと言えます。

キーワードは“環境に優しい”

世界規模で環境破壊が大問題となる中、企業はこれまでのように製品を作って販売するという姿勢では、消費者から支持を得られない状況になってきています。現在ではこのような環境問題に対する取り組みの高まりから、消費者の商品を選ぶ際の選択肢の一つに“環境に対して優しい”かどうかが加わるようになったのです。

このマーケットの流れに呼応するかのように今では多くの企業が“環境に優しい”製品を市場に投入するようになりました。また、国家的な支援も行われており、たとえば、環境省など6つの省庁が後援するエコプロダクト大賞という環境に優しい製品を開発する企業を支援するプロジェクトが2004年から開始されました。このエコプロダクト大賞ではこれまでに多くの企業の環境に優しい製品やサービスがエントリーされ、キヤノンや日立、松下電器、東京ガスなどが賞を受けています。

今回“No!レジ袋ブラ”を開発したトリンプも現在のマーケットの流れに沿って、これまでに“リサイクルPETブラ(1997)”、“eco 地球儀ブラ(2004)”、そして “ウォームビズブラ(2005)”など環境に優しい製品を発表し、環境問題に対する取り組みをアピールしてきたのです。

企業が“環境に優しい”製品に取り組む真の理由とは?その答えは次ページで!
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