マーケティング/マーケティング事例

50周年を迎えたディズニーランドに学ぶ顧客を虜にする極意(2ページ目)

昨年カリフォルニアにあるディズニーランドは創業50周年を迎えました。半世紀以上を経て今だ多くの人に愛され続けるこのディズニーランドの秘密に迫っていきたいと思います。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

顧客を楽しませることを忘れない

いかに施設が充実していてもそれを運営する人に問題があってはハードの価値が激減します。その点ディズニーランドの従業員はアルバイトに至るまで徹底してお客を楽しませることを忘れません。ディズニーランドではお客を『ゲスト』、従業員を『キャスト』と呼んで、従業員も夢の国を演出する重要なポジションを占めています。キャストは笑顔を絶やすことなく、気さくな態度でゲストに接し、ホスピタリティとフレンドリーの精神で一人一人のゲストを特別に扱います。また、園内にごみが散乱していれば、ゲストの気分を損ねるもとにもなりますので、キャストはクリーンな環境で楽しんでいただくために絶えず清掃を行うなどの気配りもディズニーランドでは行き届いています。

SCSEの精神

ディズニーのSCSE教育
ディズニーランドでは従業員のみならずアルバイトにまで徹底した教育が施される。
このようなディズニーランドの従業員に対する教育は『SCSE』の精神の基で行われています。SCSEとは

S・・・Safety(安全性)
C・・・Courtesy(親切)
S・・・Show(演出)
E・・・Efficiency(効率)

の頭文字を取ったものですが、従業員の行動基準はこのSCSEの順番で判断されます。たとえば、身長制限のあるアトラクションにおいてほんの少し身長が足りない児童がいたとすると、『親切』に乗せてあげるのではなく、『安全性』を第一に考え、『親切心』を持ってがっかりさせないようにお断りします。このようなSCSEの精神が従業員のみならずアルバイトにまで徹底されているので、ゲストは安心して園内をエンジョイすることができるのです。

このようにディズニーランドは夢の国を実現し続けるそのハードのみならず、キャストというソフトに至るまで徹底的にこだわることにより、ゲストのハートを掴み、何度でも訪れたくなるような仕組みを求め続けた結果が、50年経っても多くの人に変わらず愛され続ける秘密と言えるのではないでしょうか。

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