「話す」と「聞く」のバランス
次が、「話す」と「聞く」のバランス。これも意外と難しいですよね。営業マンが一方的に話してばかりだと、お客さんは「講義を聞かされている」ような気分になります。逆に相手に質問してばかりだと、お客さんは「尋問されている」ような気分になります。Aさんの場合は、まず最初に学校のカリキュラムの概要を大まかに説明しました。あくまでも大まかにです。そのうえで「今お話ししたところで、興味を持ったり、疑問に感じたところはありますか」といった投げかけを私に対しておこないました。そして私の発言を受けて、また説明をはじめます。ときどき私の話が長くなったら「つまりこういうことですね」とサマリーもしてくれました。
つまり会話のキャッチボールがきちんと成り立っていたんですよね。商談では、話したら聞く、聞いたら話すという相互のやりとりが大事であることを、Aさんとの会話のなかで改めて痛感しました。